金融商品には金利がついてきます。この金利は一律ではありません。商品によって、単利で計算する場合と複利で計算する場合があります。
金融商品を選ぶ際、単利と複利の違いを理解しておくことはとても大切です。なぜなら、単利と複利のどちらで計算するかによって、受け取れる利息の額に大きな違いが出てくるからです。
そこでこの記事では、単利と複利それぞれの仕組みや計算方法を解説していきます。
単利とは
単利とは「最初に預けた元本に対してのみ利息がつくこと」です。
例えば「元本100万円を年利7%で5年間」単利運用した場合、元利合計は次のように増えていきます。
年数 | 利息 | 元利合計 |
0年目 | 0円 | 100万円 |
1年後 | 7万円 | 107万円 |
2年後 | 7万円 | 114万円 |
3年後 | 7万円 | 121万円 |
4年後 | 7万円 | 128万円 |
5年後 | 7万円 | 135万円 |
単利の場合、元本の100万円に対して毎年7万円ずつ利息がつきます。1年後でも5年後でも、単利で年利7%と定められていれば、1年ごとにつく利息はきっかり7万円です。
5年後には、元本の100万円に5年分の年利が35万円加わり「135万円」になる試算です。
単利の利点はどのようなものですか?
利点という説明はできません。ただ単に「元本に単年度計算での利率」というだけです。あえて申し上げれば借り入れるなら単利が有利です。
複利とは
複利とは「最初に預けた元本のみだけでなく、前期の利息分も元本として換算し、そこに(次期の)利息がつくこと」です。
先ほどの単利のとき同じ「元本100万円を年利7%で5年間」という条件で複利運用した場合、元利合計は次のように増えていきます。
年数 | 利息 | 元利合計 |
0年目 | 0円 | 100万円 |
1年後 | 7万円 | 107万円 |
2年後 | 7.5万円 | 114.5万円 |
3年後 | 8万円 | 122.5万円 |
4年後 | 8.5万円 | 131万円 |
5年後 | 9万円 | 140.2万円 |
複利の場合、元本だけでなく利息にも利息がつくので、年を追うごとにどんどん利息が増えていきます。
単利の場合の5年後の元利合計は「135万円」でしたが、複利だと5年後は「140.2万円」に増えている試算です。
複利の利点はどのようなものですか?
こちらも利点という説明はできません。預入の場合は複利が有利です。
高い金利効果が得られるのは「複利」
資産運用をするにあたって選ぶべきなのは、結論から言えば「複利」です。
元本と利息の合計に対して利息がつく「複利」なら、雪だるま式に利息が増えるため、単利よりも高い金利効果を得られるからです。同じ期間・同じ金利で運用するならば、利息が多くなる複利をオススメします。
複利の金融商品で資産運用を行うなら、もっとも簡単で効果的な複利運用の方法は「途中で手を出さずにずっと放置しておくこと」です。複利運用は、最低でも5年、更に10年、20年まで元金を保有すると金利効果が出てきます。
途中解約をするかどうか分からないのですが、とりあえず複利を利用したほうが効果的に運用できますか?
その通りです。ただ複利の優位性は長く継続すればするほどあらわれます。
複利の金融商品を購入する際の注意点
複利の金融商品を購入する際には、注意しておくべきポイントもあります。
- 運用期間
- 利息がつくタイミング
- 利率以外の条件
運用期間
複利は雪だるま式に利息が増えていく仕組みなので、運用期間が長ければ長いほど高い金利効果を得ることができます。そのため運用の成果を得るという点では、運用期間が長いものを選ぶのがおすすめです。
利息が付くタイミング
複利の場合「1年複利」「半年複利」など、金融商品ごとに利息がつくタイミングが定められています。基本的には利息がつくスパンは短い方が早く金利効果を得ることができるので、知識として覚えておきましょう。
利率以外の条件
複利の金融商品は、単利の金融商品に比べて預貯金者に不利な条件がついていることもあります。「元本保証はあるか」「利率はどうなっているか」など、目先の数字だけに飛びつかず冷静に比較検討するようにしてください。
また、複利運用の商品は途中解約すると違約金がかかるものも多いので、よく確認しておきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
この記事では、単利と複利の意味と運用シュミレーション、資産運用で複利が有利だと言われる理由について解説してきました。
ドイツ生まれの物理学者・アインシュタインは、複利を「人類最大の発明」「宇宙でもっとも偉大な力」と呼んだ、とも言われています。複利のメリットを生かして上手に資産運用できるよう、様々な商品を比較してみて下さい。