つみたてNISAとiDeCoの違い|それぞれの特徴を解説

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連載企画:つみたてNISA/iDeCoはなんのためにあるの?そもそもどんな制度なの?

NISAとiDeCoは、主に高齢時代に向けた公的な資金形成制度です。
大きな違いは、NISAは投資信託による資産形成制度で、iDeCoはより広い金融商品を対象とした年金制度です。

NISAは非課税になる制度

NISAは、NISA口座(非課税口座)に毎年一定金額の範囲内で購入した金融商品から得られる利益が非課税になる制度です。

通常は利益に所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%の計20.315%の税金がかかりますが、NISAの運用益は非課税なため、年末調整や確定申告は、必要ありません。

NISAには以下の3種類があります。

NISA

NISAは、2014年に始まった以下に示す少額非課税制度です。

利用条件日本に住む20歳以上
口座1人1口座
非課税になる部分配当金・分配金・譲渡益等の利益
非課税投資枠毎年120万円まで
非課税期間最長5年(期間内なら新たな非課税投資枠への移管が可能)
投資可能期間2014年〜2023年

つみたてNISA

つみたてNISAは、2018年から始まった少額を長期間つみたて分散投資を支援する制度で、投資対象商品は手数料の低いリスクの少ない長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託です。

NISAつみたてNISA
非課税投資枠毎年120万円まで毎年40万円まで
非課税期間最長5年最長20年
投資可能期間2014年〜2023年2018年~2037年

ジュニアNISA

ジュニアNISAは、2016年から始まった未成年者を対象にした以下に示す少額非課税制度でNISAと以下が違います。

運用管理者は、口座開設本人の両親・祖母等の2親等以内の親族となります。

NISAジュニアNISA
非課税投資枠毎年120万まで毎年80万円まで
非課税期間最長5年 最長5年
(期間内なら新たな非課税投資枠への移管が可能)
投資可能期間2014年〜2023年2016年〜2023年
資金の引き出し自由原則引き出し不可
(災害等やむを得ない場合を除く)

iDeCoは個人年金制度

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、国民年金や厚生年金にプラスして年金を受給できる国民年金基金連合会が運営する個人年金制度です。

ただし国民年金や厚生年金とは違い加入は任意です。

加入できる人

iDeCoには、以下の方が加入できます。

  • 国民年金第1号被保険者(農業者年金加入者、保険料免除者を除く)
  • 国民年金第2号被保険者(公務員等も含む)
  • 国民年金第3号被保険者(専業主婦・夫等)

以前は厚生年金や企業年金が充実していない人しか加入ができませんでしたが、2017年の法改正によって、440万人の公務員をはじめ約2,600万人が加入できるようになり、一気に知れ渡るようになりました。

掛金と限度額

掛金は、加入者個人が拠出します。
限度額は、以下の通りです。

第1号被保険者 月額68,000円
(国民年金基金の掛金、不可保険料を含む)
厚生年金基金等の加入者月額12,000円
企業型年金のみの場合 月額20,000円
厚生年金基金・企業型年金なしの場合月額23,000円
公務員・私学共済制度加入者月額12,000円
専業主婦等第3号被保険者 月額23,000円

税金

iDeCoの掛金は所得控除の対象となります。運用益は非課税です。

年末調整のある人は、年末調整で掛金を申告すれば確定申告は不要です。
年末調整をしない方は、確定申告をして税金の還付を受けます。

運用益は非課税なので、年末調整や確定申告は不要です。

年金として受け取るときは、国民年金と厚生年金と合わせて課税されますが、年金として受け取るときは「公的年金控除」一時金として受け取るときは「退職所得控除」という非課税枠が設定されているため、税額は小さくなります。

年金受給開始年齢

iDeCoの年金受給開始年齢は通算加入期間により変わり、以下の通りです。

10年以上満60歳
8年以上10年未満 満61歳
6年以上8年未満満62歳
4年以上6年未満 満63歳
2年以上4年未満 満64歳
1ヶ月以上2年未満満65歳

つみたてNISAとiDeCoの違い

制度の違い

制度の違いは、以下のようになります。

分類つみたてNISAiDeCo
非課税枠
(年間)
40万円81.6万円
加入期間なし原則60歳まで
商品の特性長期・積立・分散投資に適した投資信託投資信託・預貯金・保険
加入年齢20歳以上で上限なし20歳以上60歳未満
税制優遇度iDeCoより小(利益のみ)NISAより大(掛金と運用益)

NISAとiDeCoを比較したとき、リスクが大きいのはどちらですか?

まず、リスクとは何か?です。何をリスクと見るのかはそれぞれ違うので、どちらがリスクが大きいとはお答えしかねます。
リスクについてはFPにご相談されるのが良いと思います。

どちらから始めるか

公的年金のみでは不足する老後資金の準備ならiDeCoを選ぶといいでしょう。
iDeCoは運用費が非課税な上、掛け金が所得控除の対象となるので、働いている現役世代に有利です。

そもそもiDeCoは60歳まで引き出すことができない年金制度なので、高齢時代の資産形成が目的です。

つみたてNISAはiDeCoと異なり、換金が自由なので子供の教育資金や家の購入資金作りなどに向いています。

現役世代は、iDeCoを老後の資金の基本に、つみたてNISAで近い将来の資金作りを行うのが良いと考えられます。

NISAを始める人には、子供の教育資金や住宅購入資金作りの他に、どんな目的を持った人がいるのでしょうか。

定年の時期に合わせて住宅のリフォーム資金やセカンドライフの準備資金など、中長期的な資産形成で目的はさまざまです。

iDeCoは、老後の生活資金の準備にもっとも適していると思います。

つみたてNISAなどで用いられる長期・積立・分散投資とは

現在(令和元年)の預貯金の金利は0.01%から0.001%ぐらいと非常に低いです。
残念なことに今後も金利は上がらず低いままと予想されているので預貯金での資産形成は期待できません。

そのような時代の背景から外貨預金や投資信託が注目されはじめていますが、預けた金額よりも受け取れる金額が少なくなる「元本割れ」などのリスクも指摘されているため、必ずしも安定性があるとは言い切れません。

そこで、元本割れのリスクを防ぐ方法として、長期・積立・分散投資を行います。

長期・積立・分散投資は、積立が長期で、且つ投資先を分散する方法で、リスクが低くなり収益がばらつきにくくなる特徴があります。

例えば、1985年以降の各年に、毎月同額ずつ国内外の株式・債券に積立・分散投資し運用益を求めると、5年では元本割れになることもありますが、20年になるとプラスに転じてばらつきも少なくなります。

まとめ

〇NISAは投資信託による資産形成制度
〇iDeCoはより広い金融商品を対象とした年金制度
〇NISAは運用益が出ても非課税。年末調整や確定申告は必要。
〇iDeCoは、国民年金や厚生年金にプラスして年金を受給できる年金制度
〇現役世代は、iDeCoで老後資金を貯めつつ、つみたてNISAで近い将来の資金作りを行うのがおすすめ

次回はつみたてNISAの始め方についてお話しします。
つみたてNISAの始め方|口座開設から商品の選び方まで

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