つみたてNISA・iDeCoと保険はどちらを選ぶべきか

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連載企画:つみたてNISA/iDeCoはなんのためにあるの?そもそもどんな制度なの?
▶前回の内容:つみたてNISA/iDeCoと年金の違いは?

つみたてNISAとiDeCoは、積立型の資産形成制度です。保険にも個人年金保険があり、資産形成も対象になります。

今回はそれぞれの違いについて保険制度からお話しします。

保険制度

保険は、多くの人から保険料を集めて保険事故で死亡、病気やケガ、紛失・故障、相手に与えた損害賠償などの一定の事故を被ったときに、一定の保険金や年金などの給付金を支払う制度です。

保険には公的保険と民間保険があり、保障を重点とする保険と貯蓄性のある保険があります。

〇公的保険
健康保険、介護保険、国民・厚生年金保険
〇民間保険
生命保険、医療保険、損害保険など

保障に重点をおく保険

保障に重点をおく保険には色々な種類がありますが、主な保険に生命保険があります。

生命保険は保険料に比べて保障が手厚い掛け捨て保険(事故がないと保険金を受け取れない保険)が基本です。
保険料は掛け捨てに比べて高くなりますが、保障期間が終われば必ず保険金を受け取れる終身保険もあります

保障と増やす保険

保険には保障が含まれますが、保障だけでなく(掛け捨てでなく)増やすことを目的とした以下のような保険があります。

〇養老保険
死亡すれば死亡保険金、満期まで生きていれば満期保険金を受け取る保険
〇変額保険
加入後の運用状況により保険金が変わる投資性のある変額保険
〇利率変動型積立終身保険
保障と積立・引出しが自由にできる利率変動型積立終身保険
〇個人年金保険
一定の年齢に達すると年金として受け取る個人年金保険など

変額保険は個人が加入するだけで、運用は保険会社が行います。
増やす保険は、金利の影響を受けやすいので、低金利時代の今は苦しい状況にあります。

金利の低下に伴い、個人年金保険は販売停止が増えています。
その中で、以下の保険が注目されています。

  • 金利の高い外貨で運用する外貨建年金保険
  • 解約時や死亡時の返戻金を抑えて生存者の年金を確保するトンチン年金保険(終身)

保険は契約時に保険料と年金額が決まっていますが、外貨建保険は元本割れのリスクがあります。

日本円で受取る場合で、外貨で持ち続けるなら元本割れはありません

つみたてNISA・iDeCoと保険の違い

つみたてNISA・iDeCoは積立型の資産形成制度で自分で運用して資産を増やします。

個人年金保険は、保険会社が保険料を運用して決まった年金額を決まった期間受給できます。

特徴

〇楽なのは?
運用責任のない個人年金保険
〇保険料と年金額が決まっているのは?
個人年金保険
〇運用や経済情勢で資産・年金が増えやすいのは?
つみたてNISA・iDeCo
〇税制で有利なのは?
つみたてNISAとiDeCo

経済情勢に左右されにくいのは保険とNISA/iDeCoのどちらでしょうか。

保険の中での個人年金保険(円建て)です。

個人年金保険の例

個人年金保険の例として第一生命「安心して長生きできる個人年金保険」を紹介します。

  • 加入年齢は、50歳から80歳
  • トンチン性による長生き重視
  • 有期年金と終身年金(保証期間あり)の選択

10年保証期間付終身年金を例にとると、保険の条件や年金は、以下のようになります。

分類男性女性
契約年齢55歳55歳
保険料満了70歳70歳
年金受給開始70歳70歳
月額保険料54,000円54,000円
保険料総額972万円972万円
年金年額51.11万円41.08万円
保険料を上回る年齢89歳93歳
100歳受給総額1,584.41万円1,273.48万円
100歳返還率163.0%131.0%

個人年金保険は、契約時に保険料と年金額が決まります。

確定しているので安全と言えますが、低金利時代で返戻率は高くなく、つみたてNISA・iDeCoに比べ有利とは言えません。

つみたてNISA・iDeCoと保険の共生

つみたてNISA・iDeCoは有利な税制もあり、長期間積立分散投資をすれば個人年金保険よりも資産形成に有利です(自分で運用が必要です)。

しかし、積立なのである程度の資産形成ができるまで10年・20年と言った期間がかかります。

契約時に保険金が決まる保険(掛け捨て型生命保険や医療保険など)と組み合わせて死亡や働けなくなるリスクに備える必要があります。

つみたてNISA・iDeCoと保険には違いがありますが、それぞれの特徴を自分に合うように組み合わせて共生していくのが望ましい形です。

現役世代ですが、保険と、NISA/iDeCoのどちらを選択するべきですか?

出来れば両方が理想的です。

リタイア目前の年齢では、保険と、NISA/iDeCoのどちらを選択するべきですか?

年齢のみでは判断がつかないため、ファイナンシャルプランナーに相談し状況に併せて判断されるのをお勧めいたします。

まとめ

〇楽なのは、運用責任のない個人年金保険
〇保険料と年金額が決まっているのは、個人年金保険
〇運用や経済情勢で資産・年金が増えやすいのは、つみたてNISA・iDeCo
〇税制で有利なのは、つみたてNISA・iDeCo
〇長期間積立分散投資をすれば個人年金保険よりも資産形成に有利だが資産形成できるまで10年・20年の期間がかかる

以上、ここまでつみたてNISA/iDeCoについて10本の記事に分けてご紹介してきました。まだ最初から見ていない人や途中から見始めた方は是非、最初からご覧ください。

▶連載企画:つみたてNISA/iDeCoはなんのためにあるの?そもそもどんな制度なの?

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