資産運用どうやって始める?第一歩の踏み出し方と初心者おすすめ商品

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世界的な経済状況の悪化を身近に感じるようになり、給与収入や公的年金収入への不安や危機感とともに、資産運用の重要性が高まっているといえます。

資産運用には踏み出しにくい一種の壁が存在しますが、内容や仕組みを少しずつ乗り越えていくことで広がる世界があります。

今回は資産運用の始め方や重要性、おすすめの資産運用方法について、まとめて解説します。

資産運用とは

資産運用とは、所有資産(現金、不動産、株、債券など)を管理・運用して資産を増やすことを目的とするものです。

株やFXだけでなく、定期預金や保険などの保有方法も運用の仲間に入ります。

お金を増やすことの大切さ

資産運用でお金を増やしていくことは非常に大切なことです。

その第一の理由は、「人生100年時代」ともいわれるほどの長寿社会に突入し、生きていくための収支が厳しくなっている点にあります。

医療費を始めとする社会保障費や公的年金についても財源不足の危機が叫ばれています。

もう一つ、資産運用が重要である理由としてインフレによる物価の上昇があります。

好景気でなくても物価は次第に上昇するため、ただ預金口座に置いておくだけでは残高の価値は将来的に目減りしていく可能性があるのです。

投資や運用をしていると価値の変動もありますが、長期的に資産運用を続けることでインフレに近い伸びを期待できる可能性があります。

物価の上昇と同じように資産価値も上昇させていくことが大切なのです。

資産運用が重要視されているのは、これらのようなお金を増やすことの大切さにあります。

資産運用のハードルが高いと感じる理由

資産運用を始めるにあたり、まず何から取り掛かればよいのでしょうか。資産運用には一定の難しさもあります。まずはリスクの面から順に資産運用の「壁」のようなものについて考えていきましょう。

資産運用にはリスクがある

投資にはリスクがあります。「損をしたら嫌だ」「やはり預金が無難」と考えてしまうかもしれません。

しかしまず理解しておきたいのは、リスクとリターンは表裏一体であり、利回り(リターン)を得るためにリスクを取ることもある、という点です。

そのため投資の場面では、仮に損失が出ても最小限となるようにリスクを分散していきます。

投資リスクの分散方法

長期投資数年・数十年の長期間を前提に運用する
分散投資投資対象の分散株式や債券など、投資の対象を複数に分ける
投資先の分散投資先を絞り過ぎず、複数の金融商品に投資する
投資時期の分散投資時期をずらず(積立投資)

まず資産運用においては、貯蓄の中でも使う予定のない「余裕資金」で行うことが基本となります。投資は少額から始められる方法もあるため、無理に資金をつぎ込む必要はありません。

まずは今の資産状況や将来の支出予定などのマネープランについて考えてみてはいかがでしょうか。

投資に利用してもいい「余裕資金」がどれくらいあるのかを把握します。

投資の種類が多すぎる

投資には株、投資信託、ETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)、先物取引、MMF・MRF、国債などの債券、FXなどさまざまな種類があり、種類が多すぎて分かりにくいものです。

たくさんの商品がありますが、まずは税制上のメリットがある「iDeCo」や「NISA」に注目してみましょう。

「iDeCo」「NISA(ニーサ)」「つみたてNISA」は政府が推進する資産運用の優遇制度で、国民の安定的な資産形成を目的としています。

とくに少額から取り組める「つみたてNISA」については、長期運用・積立運用・安定運用に適していると政府が認定している金融商品のみを対象としています。(※金融庁「NISA特設ウェブサイト」あなたとNISA)

どうやって知識を増やせばいい?

資産運用を始めるために情報を集め、知識を身につけることが大切であることは間違いありません。ただ、専門的な知識や日々の値動きの管理は非常に難しいものです。

そのため資産運用には、第一歩を踏み出しやすい商品から取り組んでみてはいかがでしょうか。

初心者におすすめ資産運用の始め方

先ほどご紹介した「iDeCo」「NISA」「つみたてNISA」などの優遇制度をはじめ、取り組みやすい投資商品について解説します。

「iDeCo」「NISA」「つみたてNISA」制度

資産運用には税制優遇のある「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」や「NISA」などの制度があります。

資産運用で得られた利益を非課税扱いにする有利な制度となりますので、その内容を見てみましょう。

税制優遇制度デメリット
iDeCo・資金の拠出時(拠出金額を所得控除)
・運用益(利益部分の非課税)
・受取り時(退職所得控除/公的年金等控除)
・職業により年間の拠出金額に上限あり
・資金は基本的に60歳まで引き出し不可
NISA運用益の非課税扱い
・拠出金額の上限:年間120万円
・非課税期間:5年間(最長10年間)
・運用に損失が出ても、他の収入との損益通算ができない
つみたてNISA運用益の非課税扱い
・拠出金額の上限:年間40万円
・非課税期間:20年間
・投資対象に株式は含まれない
・対象銘柄が指定されている

iDeCo

個人型確定拠出年金の「iDeCo」は20歳以上60歳未満の人が加入できる私的年金制度です。上表のように拠出時・運用益・受取時という3段階での優遇があります。

ただし年間の上限額には職業による限度額(※自営業者は年額81.6万円/公務員は年額14.4万円など)があります。

また、一度加入すると原則60歳までは引き出すことができないという特徴があります。拠出金額についてしっかり検討の上で利用しましょう。

※厚生労働省「確定拠出年金の拠出限度額

NISA/つみたてNISA

NISAには「(一般)NISA」と「つみたてNISA」があり、どちらか1つのみ利用できます。

「一般NISA」は、年間の投資額120万円までの利益が非課税になります。対象期間は5年間、総額で600万円が上限です。

「つみたてNISA」の非課税枠は年間40万円までであり、対象期間は20年、総額800万円までとなります。

つみたてNISAの対象となる商品は限定されていますが、長期・積立・分散投資に適した公募株式投資信託や上場株式投資信託(ETF)が厳選されています。(※金融庁 つみたてNISAの概要「つみたてNISAとは」)

国債

個人に向けて発行されている「個人向け国債」には「固定3年(固定金利)「固定5年(固定金利)」「変動10年(変動金利)」の3種類があります。

利回りや満期日が確定しており、利払いは年2回あります。

【個人向け国債の金利の例】※令和3年1月31日現在

商品「固定3」「固定5」「固定10」
回号第128回債(1月)第118回債(1月)第130回債(1月)
表面利率
(税引き後)
0.05%
(0.0398425%)
0.05%
(0.0398425%)
0.05%
(0.0398425%)

※参考:『財務省|現在募集中の個人向け国債・新窓販国債』

個人向け国債は発行から1年経過すればいつでも中途換金が可能です。1万円からスタートでき、国が発行元であるという安心感から人気の資産運用方法となっています。

少額の投資信託

投資信託とはさまざまな投資家から資金を集め、専門の運用会社がまとめて運用する投資方法です。

投資の専門家により株式や債券などへ分散投資され、種類が多い点も投資信託のメリットだといえます。

商品(ファンド)の構成内容により、「債券型」や「株式型」などがあります。

また、投資信託は1,000円程度からの積立ても可能であるため、資産運用の第一歩にも適しているといえます。

まとめ

資産運用にはリスクがつきものですが、長期投資・分散投資によりリスクを分散していくことも可能です。

また、投資について考える際に資産の見直しができることから、家計の見直しや将来設計にもつながります。

資産運用の目標を明確にして正しい情報や知識を得ながら、第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

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