月額400円で年金受給額が増える「付加年金」とは?仕組みを解説

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【年金編10話】年金の支払いに困った時に役立つ【免除・猶予期間の制度】を理解しよう

国民年金には、基本となる保険料に上乗せして支払うことで将来の受給額を増やすことができる制度が用意されています。

付加年金は、月々の年金に少し上乗せするだけで将来の年金受給額が増額される気軽でお得な制度です。ただし、いくつかのデメリットもあるので、利用には検討が必要でしょう。

この記事では、付加年金の仕組みとメリットとデメリット、加入対象者を解説していきます。

付加年金とは

付加年金とは、毎月付加保険料として「400円」を上乗せして納付することで、将来の年金受給額を増額できる制度です。

付加年金を納付した場合、「200*付加保険料納付期間」の年金を上乗せして受け取ることができます。

例えば40年間付加保険料を払込むとすると、

  • 保険料…400円×480月(40年間)=192,000円
  • 受給額…200円×480月(40年間)=96,000円(年額)

となり、

  • 40年間で払い込む保険料は192,000円
  • 65才以降に受け取れる年金が年間96,000円増額

給付額の「200*付加保険料納付期間」というのは、2年で元が取れる金額設定になっています。

付加年金は、第1号被保険者(自営業者等)だけが加入できる制度です。

付加年金のメリット

付加年金のメリットは次の2つです。

  • 受給開始後2年で元が取れる
  • 負担額が月々400円なので始めやすい

受給開始後2年で元が取れる

付加年金は、受給開始後2年で元が取れるようになっています。つまり、長生きするほどお得な制度だということです。

繰り下げ受給をしても増額分がきちんと付与されるので、人生100年時代と言われている今、お得に年金を増額できる制度だと言えます。

負担額が月々400円なので始めやすい

付加年金は、月々400円の積立で老後の年金を増やすことができる制度です。

少額で確実に受給金額を増やすことができるため、何か少しでも老後に向けて資産の確保を始めたいと考えている第1号被保険者の人には始めやすい制度だと言えるでしょう。

付加年金のデメリット

付加年金にはデメリットもあります。

  • 定額制のため価値が下がる可能性がある
  • 国民年金基金との併用ができない
  • 受給開始までに亡くなると損する

定額制のため価値が下がる可能性がある

付加年金の受給額は物価や賃金が上昇しても連動しない定額制のため、将来的にお金の価値が下がった場合思っていたリターンが戻ってこない可能性があります。資産運用にはならないため注意が必要です。

国民年金基金との併用ができない

付加年金は、国民年金基金との併用ができません。また、iDeCoの上限額も少し少なくなってしまうため、他の年金制度との併用を考えている場合は注意が必要です。

受給開始までに亡くなると損する

受給開始までに亡くなった場合、付加年金分の金額は返ってきません。気になる方は、死亡時の保険金が返ってくる制度を利用した方が良いでしょう。

年金の繰り上げ受給と繰り下げ受給

年金は65歳から受給するのが基本ですが、60歳から70歳にかけて受給開始時期を変えることができます。これは、国民年金と厚生年金に共通の制度です。

繰り下げ受給にすれば、受給する金額を増やすことが可能です。

繰り上げ受給と繰り下げ受給、それぞれについて解説します。

繰り上げ受給

年金を65歳になる前に受給すると、65歳までの月数に0.5%ずつ減額されます。

60歳から受給すると30%の減額になり、減額が一生涯続きます。年金を早く受け取れるメリットはありますが年金額が一生涯減るので、一般的には避けるのが賢明です。

繰り下げ受給

年金を65歳を超えて受給すると、60歳を超えた月数に0.7%ずつ増額します。

70歳から受給すると42%の増額になり、増額が一生涯続きます。年金を増やすのに有効ですが、以下のデメリットもあるのでよく考えてから判断してください。

  • 受給が遅れるのでその期間の資金手当が必要
  • 受給が遅れるので受給期間が短くなる可能性
  • 加給年金の受給も遅れるので年下の配偶者がいると不利
  • 税金や社会保険料も増えるので手取りは42%より減少

国民年金の追納と後納

国民年金は保険料の免除制度がありますが、その期間、国庫負担分を除いた2分の1の年金が減額されます。

免除された保険料は、10年間まで追納できます。また、学生など保険料の納入猶予制度があります。

猶予された保険料は年金に反映されないので、10年以内に追納しましょう。

保険料を支払わなかった場合も、2年間の時効があります。
2年以内ならば後納でき、60歳を超えても支払えます。

5年以上の未納期間がある場合、年金を増やすということは難しいでしょうか。

未納期間と年齢などで状況は変わりますが、難しいことではありません。しかしながら一概には解説できません。

まとめ

  • 年金は増やせる
  • 付加年金は、第1号被保険者(自営業者等)だけが加入できる制度
  • 付加年金は2年で元の取れる、非常に有利な制度
  • 付加年金は貯金・預金と同じくインフレには弱い制度

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