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「貯蓄預金」って聞いたことがありますか?
貯蓄預金は、普通預金や定期預金と同じ、預金の一種です。最近ではあまり使われない預金なので、初めて耳にしたという方もいるかもしれません。しかし、貯蓄口座には貯蓄がしやすくなる仕組みがあるんです。
この記事では、普通預金・定期預金と似ている点や相違点、貯蓄預金口座の便利な活用方法についてご紹介します。
貯蓄預金は「貯蓄目的に特化した預金」
貯蓄預金とは、文字通り「貯蓄を目的とした預金」です。
預入金額に応じた金利が設定されているため、普通預金に貯蓄するよりも高い利息を受け取ることができます。
貯蓄に特化した預金なので、公共料金やクレジットカードの引き落とし口座には設定できません。
普通預金 | 定期預金 | 貯蓄預金 | |
流動性(払出しやすさ) | 〇 | △(満期までは原則として解約できない) | 〇 |
適用金利 | 現行では、0.001%~0.002%の金融機関が多い | 金額・預入期間により異なる | 預入額を基準として金利が設定されている |
引落しによる支払い・給与受取り | 〇 | × | × |
貯蓄預金が貯蓄目的の預金だと聞いて「定期預金も貯蓄用の預金なのでは?」「定期預金との違いは何?」と思った方もいるのではないでしょうか。
ここからは、貯蓄預金のメリットとデメリットや、貯蓄預金と定期預金の違いを解説します。
貯蓄預金のメリット
・自由に払い戻しができる
・1円以上1円単位で預入できる
・段階金利が設定されている
自由に払い戻しができる
貯蓄預金には「自由に払い戻しができる」という特徴があります。
同じく貯蓄目的の定期預金は基本的に、満期を迎えるまで払い戻すことができません。
しかし、貯蓄預金は普通預金と同じように、自由に入出金することができます。
1円以上1円単位で預入できる
貯蓄預金口座への預け入れは、1円以上1円単位から行うことができます。
貯蓄預金には普通預金と似ている点が多くあり、預金が保険機構の対象となっている点も普通預金と同じです。
また、口座残高が金融機関の定める最低預入金額を下回る場合は、普通預金と同等の金利が適用されることになります。
段階金利が設定されている
貯蓄預金には金利の適用方法が2種類あります。
口座残高に応じて金利が変動する「金額階層別金利型」と、適用金利が一定の「金額別金利型」です。
「金額階層別金利型」は、口座残高が多いほど高い利息を受け取ることができる貯蓄預金です。
後述しますが、実際にはこの階層別金利という制度はあまり機能していません。
「金額別金利型」は、口座残高にかかわらず、一律の金利が適用されるタイプです。
はじめに設定した金利が継続するため、入出金が多い場合や残高の変動が大きい場合に適しています。
また、貯蓄のための保険があることを知っていますか?
貯蓄預金のデメリット
引き落とし口座としては使えない
貯蓄預金の口座は、公共料金やクレジットカードの引き落とし口座には指定できません。
ATMや銀行窓口から振り込みや預り入れの取引を行うことはできますが、各種支払い用の口座としては使えないというのが注意点です。
実際には普通預金との金利差がない
超低金利時代である昨今は多くの銀行において、貯蓄預金のメリットである段階金利はあまり機能していません。
貯蓄額が10万円でも1000万円でも金利に違いがなく、金額階層別金利の恩恵はほとんど受けられないのが実情です。
貯蓄預金を活用するなら「スイングサービス」を設定しよう
結論から申し上げますと、貯蓄預金は現在ではあまり使われていない預金です。
先ほど述べたように、最近の貯蓄預金の金利をみると普通預金や定期預金との差がなく、あえて貯蓄預金を選ぶメリットがほとんどないからです。
しかし貯蓄預金には、どんどん貯金していきたいという人をアシストしてくれる「スイングサービス」という仕組みがあります。
スイングサービスとは?
「スイングサービス」とは、指定した期日に指定した金額を預金口座間で自動的に振り替えてもらえるサービスです。
細かい内容は金融機関によって異なりますが、例えば、指定日に一定額を超えた金額が普通預金口座に残っていた場合に、超過分を貯蓄口座に振り替えるといった使い方ができます。
振り替える金額は「指定した金額」または「指定の残高を超える金額」のいずれかを選択できます。
月々の収入に波がある人や普通預金に残高があると使ってしまう人にとっては、貯金を仕組み化できる便利なサービスです。
スイングサービスのメリット
スイングサービスのメリットは、貯蓄のために振り替えても、何かあったら自由に払い戻しができるという点です。
自動積立定期預金にも自動振替サービスはありますが、払い戻しには窓口での手続きが必要です。貯蓄預金であれば払戻しが自由ですし、金融機関によっては貯蓄預金から普通預金へのスイング(逆スイング)も利用することができます。
スイングサービスを家計管理に本格的に活かしていきたい場合は、ATMが遠方にある金融機関で契約するなどして「いざとなったら引き出せるが、普段は引き出しづらい」といった環境を作るのもおすすめです。
スイングサービスのデメリット
スイングサービス利用には、手数料がかかる場合があります。手数料は、1回100円(税抜)というケースが多いようです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
この記事では、貯蓄預金のメリットとデメリット、貯蓄預金を活用したい人におすすめの「スイングサービス」というサービスについて解説してきました。
貯蓄預金は給与に変動がある人、貯める仕組みを作りたい人におすすめの制度です。
しかし、金利という点で考えると、やはり定期預金の方が有利ですので、ある程度まとまったお金ができたら、定期預金や個人向け国債など、より利率が高い選択肢も検討してみましょう。