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お金を貯める意味の言葉に、貯金、預金、貯蓄があります。
- 貯金・・・ゆうちょ銀行や農協・漁協に預けるもの(貯金箱なども含む)
- 預金・・・銀行・信用金庫・信用組合、労働金庫など金融機関に預けるもの
- 貯蓄・・・貯金・預金に加えて投資・保険・不動産投資も含めるもの
お金を貯める言葉としては、預金<貯金<貯蓄の順で広い意味の言葉になります。
貯金・預金は低金利時代が続いていますので増やすことは難しくなっていますが元本が保証されます。
貯蓄の中の株式、債券などの投資や不動産投資は増やすことは可能ですが元本が保証されないリスクがあります。
貯蓄は、個人が積み立てて資金を増やす仕組みです。
これに対して、年金は現役世代が高齢者の生活を支える制度です。
低金利の時代には貯蓄で高齢生活に備えるのは困難
銀行の普通預金金利は、多くが年0.001%です。
資金を増やす積み立て預金に定期預金がありますが、定期預金の金利も0.01%です。
100万円貯金したとしても、1年で10円しか増えません。
さらに税金が約2割(復興特別所得税のかかる国税が15.315%、地方税が5%)かかるので8円弱しか増えません。
低金利が続くのではと考えられるのは、政府の財政赤字(国の借金)が1,000兆円を超えているので長期金利が上がると利子(1%上がると10兆円)が増えて借金を返せなくなるからです。
このことからも金利は、上がらないと予測できます。
貯金・預金は旅行や買い物、10年程度の短期間のリスクへの備えで、高齢時代の生活への備えは困難と言えます。
金利が上がらない前提で考えると、現在の金利で人生100年時代に備えることになるので、現役時代と高齢時代が同じぐらいの期間になります。つまり月々貯金した額が老後に使える程度となります(多少は増えます)。
では投資はどうでしょうか?だいたい年率2〜3%ぐらい見込めますが、手数料も1%ぐらいかかり、また税金もかかります。
手数料が安く、税金もかからないiDeCo(個人型確定拠出年金)やNISA(少額投資非課税制度)もありますが、それだけで補うのも難しいといえます。
高齢時代に備える貯蓄のメリット・デメリット
貯蓄のメリット
貯蓄は、お金が必要な時に自由に使えるのがメリットです。
ただ投資は解約時期に制限があったり、手数料が必要になる場合があります。
年金は、お金が必要になっても基本的に65歳まではお金(年金)を下ろす(受け取る)ことはできません。
目的の達成やリスクに備える貯蓄と、高齢時代に備える年金の違いと言えます。
貯蓄のデメリット
貯金・預金で高齢時代に備えるためには以下に示すようなデメリットがあります。
- 金利が低く貯めにくい
- 天引きでないと貯め続けるのが難しい
- インフレに弱い(逆にデフレには強い)
- 利子に約2割の税金がかかる(ほとんど増えない)
- 数十年先を見通しにくいなど
貯蓄の投資には貯めやすいメリットがありますが、元本が保証されないデメリットがあります。
年金は世代間の支え合いが基本ですので、積立額は多くはありませんが貯蓄の金利に比べれば年率2%ぐらいにはなっているので大きいと言えます。
高齢生活に頼りになった定額貯金
日本で貯金・預金が多いのは、以前金利が高く利用者の多い郵便局の「定額貯金」が影響しています。
定額貯金は、一定額を最大10年間預けておけます。
- 預ける金額は1,000円から最大300万円
- 6ヶ月後以降は払い戻し自由
- 3年までは6ヶ月ごとに金利が変動(増える)
- 10年間、半年複利
10年定額預金で積み立てると以下のようになります。
日付 | 平均利回り | 10年後税引後の総額 |
---|---|---|
平成1年6月19日 | 5.154% | 1,42,285円 |
平成4年1月20日 | 6.386% | 1,510,893円 |
平成7年1月9日 | 3.602% | 1,288,149円 |
平成10年3月9日 | 0.408% | 1,031,615円 |
平成12年3月21日 | 0.202% | 1,016,153円 |
平成初期は金利も高く、老後資金作りとしても活用されました。
平成10年以降は金利も下がり、令和元年では0.010%になり老後資金作りは困難になりました。
外貨預金
現在期待されている資金作りに外貨預金があります。楽天銀行の外貨定期預金を例にとると以下のようになります。
通過 | 1年定期 | 2年定期 |
---|---|---|
米ドル | 0.80% | 1.00% |
ユーロ | 0.02% | 0.02% |
豪ドル | 1.50% | 1.60% |
英ポンド | 0.20% | 0.25% |
NZドル | 1.50% | 1.60% |
南ア ランド | 8% | 6.50% |
人民元 | 1.50% | 1.50% |
外貨預金には、以下の注意が必要です。
- 最初の数ヶ月利子は非常に高いが半年ぐらいで元に戻る
- 外貨預金をするとき為替コスト(楽天銀行で米ドル1ドルで25銭)
- 引き出すときは為替コストに銀行手数料(米ドル1ドルで1円)
- 円高になると元本割れのリスク(円安になると逆に有利)
- 外貨預金にも課税される
- 金利の高い通貨は将来的に安くなる傾向があるなど
年金制度
年金制度は世代間の支え合いと国庫負担(国民年金保険料は加入者と国が折半)があり、自己努力の貯蓄に比べて有利と言えます。
しかし、年金水準を下げる「マクロ経済スライド」が2004年(平成16年)が導入されました。
それでも、政府は65歳で年金受給を始めるモデル世帯(40年間働いた厚生年金加入者と専業主婦)で、その時の現役世代の平均所得の50%を維持することを約束しています。
高齢者を支える現役世代の人数は減っていきますが、年加入者が多少なりとも増えつつあり国庫負担金もあることから、大きく減額になることはなさそうです。
こういった点から年金は、長い老後に備える最も頼りになる制度と言えます。
年金を主体に、不足分や余裕のある生活のために貯蓄で補っていくことになります。
まとめ
- お金を貯める言葉の意味は3つの種類がある
- 銀行の普通預金金利は、多くが年0.001%
- 100万円貯金したとしても、1年で10円しか増えない
- 老後資金作りは困難
- 年金制度は自己努力の貯蓄に比べて有利