「確定申告」という言葉を耳にしたことはあっても、今まで縁がなく、何をするのかまったくわからないという人も多いのではないでしょうか。
確定申告とは、1年間の所得を計算して納税額を確定させる手続きです。会社勤めの方の多くは、勤め先の企業に年末調整を行ってもらえるため、確定申告をする必要がありません。
しかし、個人事業主やフリーランスで年末調整がなく、自分で納税額を計算しなくてはならない場合は、確定申告をする必要があります。また、会社員でも確定申告が必要になるケースがあります。
この記事では、確定申告の基本を解説します。年末調整との違いや、申告の注意点についても触れていきますので、是非参考にしてみて下さい。
確定申告とは
確定申告とは「前年分の所得額を計算し、所得にかかる納税額を税務署に申告すること」です。
基本的に、1月1日から12月31日までの1年間分の申告を、翌年の2月16日から3月15日の間に行います。ただし、2019年分の申告・納付期限については、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、期限延長の措置が取られました。
確定申告を行う必要があるのは自営業やフリーランスの個人事業主の場合が多いですが、会社員でも年末調整では申請できない部分があるため、確定申告の知識は持っていた方が良いでしょう。
確定申告の流れ
確定申告の流れは、次の通りです。
- 必要な書類を準備する
- 帳簿を整理する
- 申告書を作成する
- 税務署に申告書を提出する
- 納税する or 還付金を受け取る
申告は、税務署に申告書を持参するか、オンラインでも行うことができます。申請の際には「マイナンバーの記載」「本人確認書類の提示又は写しの添付」が必要になるので、そちらも準備しておきましょう。
確定申告に必要な書類には、次のようなものがあります。
- 申告書
- 所得金額を証明できる書類
- 年金や保険料の控除証明書
経費を算出するために使用した領収書類などは、申告時に提出する必要はありませんが、保管の義務があります。税務調査が入った場合などに提出できる状態にしておかなくてはなりません。
年末調整と確定申告の違い
年末調整とは、従業員の1年間の所得にかかる税額を企業側で計算する手続のことです。毎月の給与から天引きしていた税金の額と、最終的に算出された正しい所得税額を照らし合わせ、還付や追加徴収が行われます。
多くの会社員は会社でこの年末調整を行ってもらえるため、自分で確定申告を行う必要はありません。
年末調整と確定申告の違いは、申告できる内容です。年末調整では「給与所得」にかかる税額の計算と、いくつかの控除のみが申請できます。一方、確定申告では、給与所得の他にも事業所得や不動産所得、雑所得など、様々な所得にかかる税額をまとめて申請することができます。
確定申告が必要になるケース
確定申告が必要になるケースはいくつかありますが、自営業、個人事業主、フリーランス、該当する年に退職して再就職していないなど、年末調整がない場合は確定申告が必要になる可能性が高いです。
また、会社員でも確定申告が必要になるケースがあるので、どのような場合に確定申告の必要があるのか知っておきましょう。会社員で確定申告が必要になるのは、次のような場合です。
- 給与の年間収入額が2,000万円を超える場合
- 給与所得以外の所得の合計が20万円を超える場合
- 給与を2か所以上から得ていて、従たる給与額が年間20万円を超える場合
- 医療費控除や雑損控除を受ける場合
- 住宅ローン控除をはじめて受ける場合
- ふるさと納税の納付先自治体が6か所以上の場合
会社員は一般的には勤務先で年末調整を行ってもらえますが、ここで説明したケースに該当する方は確定申告を行う必要があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
この記事では、確定申告の基本情報についてご紹介してきました。確定申告が必要になるケースは意外と多いので「自分には関係ない」と思わずに、基本的な知識は覚えておきましょう。
また、確定申告は一年に一度のことなので、一度無事に申請できても、翌年になるとやり方を忘れてしまったりします。確定申告を行う際には自分なりに流れをメモしておくと、翌年以降の申請の準備が楽になるのでおすすめです。