心づけって何?心づけの相場や渡し方のマナーを解説

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「心づけ」とは、感謝の気持ちを込めて渡す少額の金銭のことです。冠婚葬祭や宿泊した旅館などで、お世話になった方へ直接手渡します。

知ってはいるものの、渡すタイミングや相場が分からず本来渡した方がいい場面でスルーしてしまったという経験はありませんか?あるいは、思いがけず心づけをいただいてしまい、どう対応すべきか悩んだという経験がある方もいらっしゃるかもしれません。

そこでこの記事では、知っておくと便利な「心づけ」の意味、シーン別相場、渡す際・いただいた際ののマナーなどをご紹介します。

心づけとは

心づけ(お心づけ)とは、お世話になった方などに「ありがとう」の気持ちをこめて渡す少額の金銭のことです。海外で言うところの「チップ」に近いものかもしれません。

人と人との関係が希薄になりつつある現代では「お心づけを渡す」という風習もなくなりつつありますが、大人であれば知っておきたいお金のマナーのひとつです。

もちろん「気持ち」を表すものなので、行わなかったからといってマナー違反になることも、誰かから責められることもありませんが、いざというときに心づけをサッと渡せることは、円滑な人間関係に繋がります。

心づけのシーン別マナー

心づけを渡すシーンは様々です。シーンごとに相場を挙げていますが、あくまで一例なので、渡す際には相手の年齢や普段の関係性などを考慮して金額を決めて下さい。

結婚式

結婚式では、沢山のスタッフが新郎新婦のために動いてくれます。昔は結婚式場の司会の人や会場スタッフ、ヘアメイクさんなど、それぞれの人に心づけを用意する必要がありました。

しかし現代は、結婚式場の設定している基本費用の中にサービス料も含まれている場合が多いため、すべてのスタッフに心づけを用意する必要はないと言われています。

結婚式で心づけが必要になるのは、知人や友人に受付や会計、司会などの業務を個人的にお願いした場合です。相場は次のようになっています。

  • 受付や会計をしてもらう場合:3,000円~5,000円
  • 司会をしてもらう場合:20,000円~30,000円
  • カメラ撮影をしてもらう場合:5,000円~10,000円程度 など

結婚式では、心づけはご祝儀袋に入れて、表に「御礼」「寿」などと書いてお渡しします。新郎新婦揃って渡すのが望ましいですが、両親などに代理で渡してもらっても大丈夫です。

式が終わってからお渡しするのがマナーですが、バタバタして渡すタイミングを逃してしまわないよう、式の前に「本日はよろしくお願いいたします」と一言添えてお渡しするのも良いでしょう。

お葬式

昔は、霊柩車やバスの運転手、火葬場のお世話係、葬儀のスタッフ一人ひとりに心づけを渡すのが常識でした。しかし今は葬儀場ですべての手配が行われるため、別で心づけを用意する必要はありません。

ただし他の冠婚葬祭の行事と同様に、受付などを葬儀場のスタッフ以外の友人、親戚が手伝ってくれた場合は心づけをお渡ししましょう。適当な金額は次の通りです。

  • 受付など1日がかりのお手伝い:5,000円
  • お通夜と葬儀など、2日間のお手伝い:10,000円
  • 弔問客のご案内などのちょっとしたお手伝い:2,000~3,000円

葬儀費用の中にサービス料が組み込まれていても、心づけを個人的に渡したい場合もあります。その場合は、見積もりの段階で「サービス料は見積もりから外してください」と伝えましょう。このときの霊柩車やバスの運転手、火葬技師への心づけの相場は、3,000円~5,000円です。

ちなみに、民間の葬儀場ではなく市や区の公営施設を利用する場合、そこで働いている方々は立場上金銭などを受け取れません。心づけは不要ですし、無理に渡そうとすると困らせてしまうので気を付けて下さい。

お葬式の場合、袋は白い封筒かシンプルなポチ袋を使います。半紙に包むこともあるようです。表には「寸志」「志」「心付け」などと書きます。

渡すタイミングは火葬場に到着したとき、または、葬儀が済んでから日を改めて渡しても良いです。急なことなので「こうしなくては」と思いつめすぎず、柔軟に対応しましょう。

旅館・料亭

旅館などでそっと仲居さんに心づけを渡すシーンをドラマなどで見たことがある方は多いと思います。しかし、現代では「サービス料」としてあらかじめ料金の中に組み込まれているため、基本的に心づけを渡す必要はありません。

心づけを渡した方が良いのは、元々組み込まれているサービス以外の特別なお願いをした場合です。例えば、結婚記念日や誕生日のサプライズのために特別な準備をしてもらった場合などは、心づけをお渡しする必要があります。

旅館や料亭で心づけをお渡しする場合は、必ずお願いごとをする前に「ご無理をお願いしますがよろしくお願いいたします」と一言添えてお渡ししましょう。

思いがけず本来のメニュー以外の食材を特別に用意してもらった場合などは、帰りがけに心づけをお渡しすることもあります。旅館や料亭で心づけを渡す場合の相場は3,000円程度、もしくは宿泊費用の10%程度が目安です。

工事現場

家の建て替えやリフォームなどの場合、工事業者に心づけを渡すことで気持ちよく作業をしてもらえます。相場は、工事期間に合わせるのがベストです。

  • 数日の作業で作業員数人の場合:各々に1,000円ずつ
  • 作業が数週間にわたる場合:代表して工事責任者へ5,000円~10,000円

3か月以上の長期作業になる場合、30,000円以上渡すこともあるようです。

ただし代表して工事責任者にまとめてお渡しした場合、必ずしも現場の方々に配分されるとは限りません。工事現場では、感謝の気持ちを表すために作業中にお茶やお菓子、軽食などを差し入れするのも良いでしょう。

引っ越し

引っ越しは見積もり金額にサービス料として組み込まれている場合がほとんどなので、心づけを用意する必要はありません。

引っ越しで心づけを渡したい場合は、ねぎらいとして引っ越し当日に人数分のお茶代や1,000円程度を渡すと良いでしょう。

通常「心づけ」は、終わってから渡すものとされていますが、引っ越しの場合は終わったときよりも作業前の方がモチベーションも上がり、荷物を丁寧に扱ってくれるかもしれません。

また、繁忙期の引っ越しは社員よりもバイトが扱う場合が多いため、サービス料が入っていても、バイトには還元されないこともあります。彼らにとって当日の心づけは励みになるようです。

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心づけの渡し方とマナー

ご祝儀袋・ポチ袋に入れて渡す

「心づけ」は、日本古来の美しい習慣です。海外のチップは、お金をそのままテーブルに置くなど無造作に扱うこともありますが、日本においては「お金はむき出しのまま渡さない」というマナーがあります。

場面によってご祝儀袋やポチ袋などに入れて渡すのが望ましいですが、急なことで袋を用意できない場合もあるかもしれません。その場合でも、決してむき出しのままでは渡さず、ティッシュなどに包んで渡すのがマナーです。

無理強いはしない

中には、心づけを渡しても断られる場合があります。一度断られて再度断られた場合は、無理強いはせず、感謝の気持ちを伝えましょう。金銭の受取ることができない立場の方もいるため、相手の立場を考えることが大切です。

心づけをいただく際のマナー

心づけを渡されたとき、素直に受け取ってよいものなのか迷った経験がある方は多いのではないでしょうか。

心づけをいただく際は「かえって申し訳ないので」などと言ってやんわりと一度お断りするのがマナーです。

相手もマナーを心得ていれば「いやいや、ほんの気持ちですので」と、もう一度渡してくるので、そこで「お心遣いありがとうございます」「ではありがたく頂戴いたします」とお礼を言って受け取ります。

ただし、このような慣習を知らずに一度で「断られてしまった」と解釈する人もいるので、場面によって臨機応変に対応することが大切です。

基本的に心づけに対してさらにお礼を渡す必要はありませんが、何か渡したい場合は、いただいた心づけの額の半額程度のお菓子やタオルにしましょう。

まとめ

「心づけ」は、感謝の気持ちを込めて渡すもので、決して強制されるものではありません。

しかし、もしも自分が誰かに力を貸したとき「ありがとう」という言葉はもちろんですが、何か形として手渡されたらやはり嬉しく励みになりますよね。心づけをやり取りする際は、是非この記事の内容を参考にしてみて下さい。

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