【猫の腫瘍】手術費用の相場は?検査費用やしこり等の症状も解説!
この記事では
・がんの治療法と費用
・猫のがんの原因と予防法
「猫に多いがん」とは
がんとは「細胞の遺伝子が傷ついてできた異常な細胞が無秩序に増え続ける病気」です。
猫に多いガンは「皮膚腫瘍(肥満細胞腫、扁平上皮癌)」、「乳腺腫瘍」、「リンパ・造血系の腫瘍」が挙げられます。局所的ながんが早期発見できれば治ることもありますが、猫の場合は手遅れになることも多い上に、治療費もかなり高額となります。
猫のがんとはどんな病気?
生き物は、細胞分裂により組織の新旧交代を繰り返し(新陳代謝)、常に細胞が生まれ変わっています。細胞が分裂するときは元の遺伝子を複製する形でまず二つの細胞に分かれるのですが、このときにミスコピーが起きることがあります。
免疫機能が正常に働いていれば、このミスコピーされた細胞は体内の免疫細胞(リンパ球)によって排除されます。
しかし、老化などの原因で免疫システムが衰えると、ミスコピーされた細胞が勝手に分裂を繰り返し癌細胞と化してしまいます。浸潤性・転移性を特徴とする細胞が無秩序に異常増殖した物ががんです。
猫もがんになるのはなぜ?
猫もストレスや加齢などが原因で免疫システムの働きが弱くなると、がん細胞の増殖を抑えられなくなってしまいます。
【がんの原因】
・遺伝 :遺伝も原因ではあるが後天的要因の方が大きい
・化学薬品 :放射線 食品添加物 農薬 殺虫剤 など
・慢性的な炎症 :炎症が細胞を刺激することでガン細胞ができやすくなる
・ウイルス :猫白血病ウイルス 猫免疫不全ウイルス など
・受動喫煙 :副流煙
・ホルモン :乳腺腫瘍 肛門周囲線腫 前立腺癌
・肥満 :食事をはじめとする生活習慣
腫瘍でよく聞く「良性」と「悪性」って?
体の中で無秩序に増え続けた細胞が塊を形成した物が「腫瘍」で、「良性」と「悪性」が存在します。
【猫の腫瘍~良性・悪性の見分け方】
増殖速度 | 腫瘍の形状 | 転移の有無 | 対処法 | |
良性 | 遅い | 周囲の組織を巻き込まず圧迫 | 無 | 大きくなければ手術不要 |
悪性 | 速い | 周囲の組織を巻き込んで増殖 | 可能性あり | 早急に対処必要 |
猫の「がん」の兆候はわかる?
「がん」と言ってもその種類は多岐にわたります。体表のがんならば「見たり」「触ったり」することで「しこりがある」「皮膚病?」などという気づきがあります。
しかし、体の中に発生したがんはなかなか気づけないのが現状です。動物の場合、体調が悪くても、飼い主さんに気づいてもらえるまでなすすべがありません。
痩せる・食欲不振・下痢や嘔吐が続く・血尿や血便などの症状が出て初めて異常に気づき動物病院を受診することが多いでしょう。
しかし、これらの顕著な症状が出てからでは遅いのです。
一般的に癌の大きさが2センチを超えると生存期間が短くなり、3センチを超えるとリンパ節への転移が認められると言われています。
猫で多い「がん」は?
では猫ではどのようながんが多いのでしょうか?
肥満細胞腫
肥満細胞(マスト細胞)は体内の血管周囲、皮膚、皮下組織、肺、消化管、肝臓などに広く分布しており、アレルギー反応に関与しています。
肥満細胞腫は発生部位によって大きく二つに分けられます。
皮膚型:頭部や首の周りなどに発症する
内臓型:脾臓型・消化管型(主に小腸に発生)
皮膚型の場合は早期に発見しやすく、治療としては広範囲な切除が第一選択肢になります。完全に切除できれば予後は良好な例が多いです。
内蔵型の場合は気づいた時にはすでに転移しているケースが多く治療には化学療法が選択されます。
扁平上皮がん
扁平上皮は体の表面の皮膚や、食道など内部が空洞になっている臓器の内側の粘膜に存在しています。扁平上皮がんは扁平上皮のある場所ならどこでも発生の可能性はあります。
扁平上皮癌の特徴として、遠隔転移は少ないですが局所の浸潤性が強く、外科手術でも完全な切除が困難なことがあげられます。術後の中央生存率は1~3ヶ月、一年生存率は10%程度と低いのが現状です。
特に多いのが皮膚・口腔内にできるものです。
皮膚では耳介、瞼、鼻先、指先にできることが多いので日ごろから注意深く観察しておきましょう。皮膚にできた腫瘍は悪化すると破裂することもあり、出血や膿を伴います。
猫の口の腫瘍の内60~70%が扁平上皮癌です。口の粘膜(歯茎)にできる場合は進行が速く1~3ヶ月で広範囲に広がり、顎の骨までも破壊してしまいます。
ワクチン誘発性肉腫
頻度は多くないですが、ワクチンなどの注射部位に肉腫が発生することがあります。注射部位が癌化するこの肉腫は悪性度が高く、再発の危険性や転移の可能性も高く、治療が難しい腫瘍です。
浸潤性が強く、手術で完全に切除出来ない場合も半数程度あり、切除する場合は広範囲切除が基本になります。背骨を削ったり、断脚が必要な場合もあります。
FeLVワクチン接種後は炎症性のしこりができる場合もありますが、2~3ヶ月で消えたら大丈夫です。
背中(注射部位)にかたいしこりがあり、3ヶ月経っても消失しない、2センチ以上ある、大きくなってきている。
こんな症状が認められたら早急に受診しましょう。
乳腺腫瘍
猫に多いがんの一つです。乳腺腫瘍の8割が悪性腫瘍です。
手術は広範囲な切除が基本で、リンパ節転移を防ぐために腋窩リンパ節を含め、片側または両側の乳腺すべてを切除することもあります。
しこりの大きさは予後に大きく影響をし、2センチを超えるものは必然的に予後が悪くなってきます。
犬に比べても予後が悪く発見時にはすでに肺やリンパ節に転移している場合もあります。根治の難しい悪性腫瘍で発見した時点で余命1年くらいと言われることが多いようです。
猫の乳腺腫瘍は、最初の発情前(生後6カ月以内)に避妊手術を行うことで高確率で予防できます。繁殖を希望しない場合は早めに避妊手術を受けておきましょう。
リンパ腫
リンパ腫とは白血球の一部であるリンパ球が腫瘍性に増殖する癌の一種です。猫に発症する癌の1/3を占めています。
完治することは望めませんが、化学療法に対する反応がよく、多くは「寛解(治癒ではないが症状が消えて楽になること)」を迎えることは可能です。
やがて再発するのですが、それまでは普段通りの生活を送ることができます。再発までの期間は数カ月が平均的でしょう。しかし年単位で元気に過ごしている猫もいます。
リンパ節が腫れていないか日ごろからチェックすることが早期発見につながります。
猫のリンパ節で外から触れることができるのは「下顎リンパ節」「浅頸リンパ節」「腋窩リンパ節」「鼠経リンパ節」「膝窩リンパ節」です。つまり首や脇の下、足の付け根、膝の裏側などのリンパ節が腫れていないかスキンシップも兼ねてチェックする習慣をつけるとよいでしょう。
猫の「がん」ではどんな症状になる?
がんの症状は、がんのできる部位や種類、進行度によって異なります。
【こんな症状をみつけたら要注意】
しこり 腫れ ぐりぐり:リンパ腫・皮膚がん・乳腺がん など
鼻汁 鼻血:鼻腔内腫瘍・肺がん など
慢性的嘔吐、下痢、便秘:胃や腸のがん など
共通する症状 元気がない 散歩の途中で座り込む 体重減少
がんの初期症状は発生部位によっても異なるので一概には言えませんが「なんとなく元気がない・食欲がない」等ではないでしょうか。
また、体表にできるがんでは何かしらの「皮膚病」のような症状が出てきます。「しこり」も気づきやすい症状でしょう。
進行すると悪性腫瘍は、がん細胞が体の中の正常な活動を妨げ、栄養摂取も阻害することで、体重が減少し体が衰弱してきます(悪液質)。
猫の腫瘍摘出手術の治療費はいくら?
腫瘍の摘出手術にかかる費用は猫の状態や発生部位によって異なります。
手術は癌細胞を取り残しのないように切除します(転移がなく発生場所が限られている場合に適しています)。
しかし、がん細胞は切除しきれない場合でも症状の緩和や生活改善を目的に手術する場合もあります(姑息手術)。
アイペット(猫の手術理由~保険金請求が多い傷病ランキング)をみると2番目に「腫瘍」が入っています。
順位 | 傷病名 | 診療例 | 参考診療費 |
1 | 異物誤飲 | 異物を開腹手術で取り出した例 | 220,800円 |
2 | 腫瘍 | 皮膚腫瘍を手術で取った例 | 90,400円 |
3 | 歯周病 | 全身麻酔をして歯石除去と抜歯をした例 | 97,300円 |
【具体例】マンチカン5歳 乳腺腫瘍摘出術 5日入院の場合
検査項目 | 金額(円) |
診察 | 1,500 |
検査 | 20,000 |
CT | 35,000 |
入院(4泊5日) | 10,000 |
全身麻酔 | 17,000 |
手術 | 70,000 |
病理検査 | 15,000 |
点滴 | 7,000 |
処置 | 3,100 |
注射 | 6,000 |
薬 | 1,500 |
合計 | 186,100円 |
引用:アイペット損保
また、手術費用を公表している動物病院の例を見ると
乳腺腫瘍の場合:一部摘出(入院2日) 80,000円~
片側乳房摘出の(6日入院) 160,000円~
両側乳房摘出(6日入院) 200,000円~
その他腹腔内の腫瘍摘出術(肝臓・腸・脾臓・腎臓など)のざっくりとした費用は入院6日間で20万円程度~ となっています。
※別途検査費用が20,000円程度必要になります。
このように手術費用に関しては手術部位によっても大きく異なります。
猫のがんの治療費は?治療法別に解説
上記でごく一部の手術費用を記述しましたが、その他にもがんの治療法があります。
【基本的な癌治療】
・外科治療
・化学療法
・放射線治療
この3つががん治療の三本柱と言われています。
そして近年注目を集めている第四の治療法が「免疫療法」です。
猫のガンが発覚したら、飼い主さんがどのような治療を望むかをはっきりする必要があります。
獣医師からガン告知を受けるのは飼い主さんです。獣医師の話をしっかり聞いたうえで「治療のメリットとデメリット」「猫がその治療に適応できるかどうか」「治療費」などを総合的に考えて治療法を選択しましょう。
化学療法
抗がん剤を使用した治療です。
抗がん剤と聞けば「副作用」という言葉を連想される方が多いのではないでしょうか?
副作用の出方は個体差や治療内容によって異なりますが人に比べると症状は軽いようです。
リンパ腫の多くは化学療法がメインの治療法になります。
また脾臓の血管肉腫の術後に化学療法を用いるケースもあります。
手術前の補助療法、放射線との併用療法として用いられることもあります。
化学療法は、使用する薬剤の料金のみならず定期的な検査も必要になってくるため、治療費は高額になる場合が多くなります。
化学療法が主軸となっている「リンパ腫」を例にとると1クール(4~6ヶ月)30~50万円程度になります。
放射線療法
放射線でがん細胞のDNAを傷つけ死滅させることを目的とした治療です。皮膚や頭頚部、皮下組織などに発生した局所性のがんに特に効果が期待できます。
術前の補助療法として、また痛みや苦しさの改善などに用いられることもあります。
根治放射線治療では治療効果を上げ、副作用の軽減するために一度の線量を減らして回数を多く照射します。正確な位置に照射する必要があるので全身麻酔が必要です。照射回数は12~20回、費用は約98万円程度。
定位放射線治療は腫瘍の大きさや部位など一定の条件を満たした場合のみ可能な方法です。1週間に3~5回実施し、根治を目指す治療です。費用は約60万円程度。
緩和放射線治療は疼痛緩和や出血を減らすための治療です。線量を上げて少ない回数で実施、費用は約50万円程度。
放射線治療ができるのは、大学病院など大きな病院に限られており、費用も高額になるのがデメリットです。
免疫療法
免疫療法とは「もともと体に備わっている免疫の力」をさらに強めることでガンの発症や悪化を防ぐ効果が期待できます。
ただし、比較的新しい治療法で実績やデータが十分に蓄積されておらず、未知の部分もある治療法です。
【免疫療法のメリット】
・延命効果が期待できる
・QOLの向上や他の療法との相乗効果が期待できる
免疫療法の一例【活性化リンパ球療法~CAT(CD3 Activated T Lymphocyte)】
動物は病気やがんに対して基本的には自分でなおそうとする免疫力を持っています。その働きをするのが白血球の中のリンパ球で、体内にできた癌や侵入してきたウイルスなどを攻撃して死滅させる働きをしています。
CATとは、動物の血液を採取(10~20cc)し、その中のリンパ球を回収します。薬剤を加えてリンパ球の活性化と増殖を2週間かけて行います。おおよそ1000倍に増えたリンパ球を洗浄、回収して点滴で30分~1時間かけて体内に戻す治療法です。
治療期間は猫の状態によりますが、標準は2週間間隔で4~6回程度行い、その後は様子を見ながら回数を決めていきます。治療費は1回6万円程度です。
緩和療法
積極的な治療をしないという選択肢もあります。積極的治療をしないということは放置することではありません。
痛みの緩和や栄養サポートをしながら、がんと共存するという選択肢です。実際には鎮痛剤の使用、食欲を回復する薬を使用したり、痛みや出血を取り除くための手術も含みます。
痛みの緩和だけを中心に言うと費用は月数千円~1万円程度です。
予防方法はある?
アニマル/Felis2号/m.inddによると猫のがんの発症率は4歳を過ぎた頃から増え始め、9歳を過ぎると急激に増加します。
猫は体の不調を飼い主さんが気づいてくれるまで訴える術がないため、がんの早期発見には健康診断が最も有効な手段と言えるでしょう。まだ症状が出ていない体の中の変化を発見することができます。レントゲンやエコーも含めた検査が有効でしょう。
また、猫のがんの中でも発症率の高いリンパ腫の原因の一つに猫白血病があります。このウイルスを他の猫からもらわないように完全室内飼いがおすすめです。またワクチンで予防できるものなのできちんと予防接種を受けておきましょう。
乳腺腫瘍(乳がん)は最初の発情前に避妊手術を受けることで発症リスクを大幅に減らすことができます。繁殖を望まないのであれば早期の避妊手術をお勧めします。
予防効果としては生後6カ月以内の避妊手術では91%、7~12カ月では86%、13~24カ月では11%、それ以降は効果はありません。
愛猫ががんになったらどうしたらいい?
獣医師から「完治が難しいがん」と告げられたらどうしますか?
最も大切なことは「これからどう過ごすか」ということを明確にすることです。
どうすれば少しでも長く一緒にくらせるか
どうすれば快適な時間を過ごせるか
どうすれば苦痛を緩和することができるか
ということを考えましょう。
高額な費用のかかるがん治療。どこまで治療するかは飼い主さんの判断次第です。何が正解なのかはわかりません。
ただ、もっと治療をしてあげたいという思いと裏腹にそこには治療費の問題が出てきます。場合によっては治療費を工面できないというケースもあるでしょう。
そういうときのために、ペット保険があります。ペットを家族として迎えたら、ペット保険には加入しておくことをお勧めします。
ここで、治療例を一つ紹介したいと思います。下顎に扁平上皮癌を発症、手術して一度は元気になったものの1ケ月後に再発、ターミナルケアも含め4ヶ月の闘病をしたメインクーンの準君(8歳)の場合です。
発症から安楽死までのリアルな状況と治療費をブログで紹介されています。治療明細の画像も載せてあるので参考になると思います。
扁平上皮癌実際の治療例:猫13匹と寝て暮らす、ときどき社会学者
治療費を見ると
・最初の動物病院で診断を受けるまでの治療費:約3万円
・専門病院に転院し確定診断を受けるまでの治療費:約15万円
・手術入院費:約39万円(下顎2/3切除 摂食不能なため胃チューブ)
ここまでの合計金額:563482円
ターミナルケア87,666円(鎮痛剤 サプリメント)
トータルで634,188円 でした。
猫におすすめのペット保険は?
ここでは猫に合ったおすすめのペット保険、比較・選び方について解説します。
全てのペット保険で補償の対象外である去勢の費用等の項目は除き、あくまで保険会社・プランで差別化になるポイントに絞って解説します。
他サイトのようなランキング形式ではなく、あくまで猫目線で解説していきます。
猫のペット保険加入の選び方のポイント
①猫のなりやすい病気が補償されるか確認
・歯科治療(歯周病等)
②加入後に発症した先天性、遺伝性疾患が補償されるか
③通院・手術・入院を補償するフルカバー型のペット保険の中でも通院は他社と比較しても手厚いか
④更新の際に「来年度からの傷病や部位補償の対象外」とする可能性がないか
①猫のなりやすい病気が補償されるか確認
ペット保険は保険会社によって補償する病気や、補償の対象外となる項目が異なります。
中には猫がなりやすい、歯周病を含む一切の歯科治療を補償の対象外としているペット保険も存在します。例えば「プリズムコール」では一切の歯科治療が補償の対象外です。
また、「日本ペット少額短期保険:いぬとねこの保険」では「歯肉に触れる治療は補償されるが、歯に触れる治療は補償の対象外」といった細かい制限があります。
特に歯科治療は保険会社によって補償されるかが異なりますので、必ず保険約款や重要事項説明書を確認することをおすすめします。
また公式HPでも「保険金のお支払いできない事例」の中に記載されていることがほとんどですので必ず確認しましょう。
補足になりますが、予防目的の歯石除去等は全てのペット保険で補償の対象外なので注意しましょう。
猫がなりやすい病気で補償の対象外か確認すべき病気
②加入後に発症した先天性、遺伝性疾患が補償されるか
全てのペット保険で加入前に発症している先天性、遺伝性疾患は基本的には補償の対象外となってしまいますが、加入後に発症した先天性、遺伝性疾患を補償するかどうかは保険会社によって異なります。
猫種によっては、なりやすい遺伝性疾患があります。例えばスコティッシュフォールドでは 骨軟骨異形成症という遺伝性疾患が存在します。
こちらも併せて公式HP内の「保険金をお支払いできない事例」や保険約款・重要事項説明書を確認し、加入後に発症した先天性疾患が補償されるかしっかり確認しましょう。
③通院・手術・入院を補償するフルカバー型のペット保険の中でも通院補償の手厚さを重視するのがおすすめ
猫がなりやすい病気である「腎臓病」や「膀胱炎」は長期もしくは複数回の治療が必要になる疾患です。また「尿結石」は症状が重い場合、外科手術を伴う高額治療が必要になる傷病です。
そのため、猫には「通院・手術・入院を補償するフルカバー型のペット保険」に加入することがおすすめです。
しかし、猫は腎臓病等の慢性疾患になりやすいのに対し、そこまで手術の可能性は高くありません。そのため猫にはフルカバー型の中でも通院補償が他社より手厚いペット保険に加入することをおすすめします。
【通院治療費】
・年間平均診療費 : 272,598円
・平均診療単価 : 9,329円
・年間平均通院回数 : 15.2回
参考:アニコム損保「家庭どうぶつ白書2019」
参考:猫との暮らしとお金「猫が慢性腎臓病になったときにかかる費用はどれくらい?」
(あくまでも統計による平均なので一つの参考資料として見てください)
④更新の際に「来年度からの傷病や部位補償の対象外」とする可能性がないか
ほとんどのペット保険が一年契約となっており、契約を毎年更新していくことで終身の補償となっています。
つまり、ペット保険に加入すると毎年契約更新の審査があります。
中には「前年度にかかった傷病や慢性疾患」等の、特に治る見込みが少ない、再発の可能性が高い慢性疾患を、更新の際に「来年度から補償の対象外とします。」と条件を付け加えてくる保険会社があります。
もちろん中には「更新の際に条件を付け加えることはありません」といった記載をしているペット保険もあります。
猫がなりやすい「腎臓病」や「泌尿器間疾患」は慢性疾患のためかかってしまったら一生の付き合いが必要な病気です。
加入を検討しているペット保険会社の「更新時の対応」についても必ず確認することをおすすめします。
また、ペット保険比較アドバイザーではそういった情報も一つの記事内でまとめていますのでぜひ一度ご確認ください。
猫におすすめのペット保険をご紹介!
最後に、今回ペット保険比較アドバイザーでは猫におすすめのペット保険をご紹介します。
おすすめの理由としては上記で説明した猫及びサイベリアンのペット保険の選び方、ポイントや条件をすべて満たしているからです。
ただし、細かい補償内容や金額についてはもちろん違いがありますので必ず重要事項説明書や保険約款、パンフレットや公式HPを確認してください。
ちなみに、気になる保険料を条件が近いプラン同士で比較すると、保険料が高い順に①アニコム②アイペット、となります。※0~15歳までの保険料の総額
メリット | デメリット | |
・複数回通院にも強い ・手術は一回当たり最大14万円まで補償(補償割合70%プラン) | 保険料が高い ※健康割増引制度により保険の利用状況によって割増引の適応【可】 | |
・12歳まで加入可能 ・手術は一回当たり最大15万円まで補償(補償割合70%プラン) | 保険料が高い ※猫は9歳から犬は12歳から値上がりなし |
当社保険は保険金のお支払いを理由として、契約の継続をお断りすることはございません。終身でご継続いただけます。
引用:アイペットHP よくある質問「保険金が支払われた場合に、契約が継続ができないことはありますか?」
弊社の商品の保険期間は1年間ですが、ご契約には「継続契約特約」を適用して引受をさせていただいておりますので、解約等のお申し出がない限り満期後は、原則ご契約は自動的に継続となり、終身ご継続いただけます。
※ご注意
・ご契約者または弊社より別段の意思表示があった場合には、ご契約は継続となりません。
・自動的にご契約が継続とならない場合や、商品改定により保険料、補償内容などが変更となる場合があります。
引用:重要事項説明書
補足:先天性疾患が発症する前に!遅くとも7.8歳までには加入しよう
ペット保険は、加入する前に発症している先天性疾患は補償の対象外となります。
そのため、病気になってから保険に加入しようとしても、肝心のその病気の治療費は補償の対象外になってしまいます。
また、加入後に発見できた病気であっても先天性疾患を補償の対象外としているペット保険や、慢性疾患にかかると更新できない保険もあります。
また一般的にペット保険では8~12歳で新規加入年齢を設定していることがほとんどです。早いところでは7歳で新規加入を締め切るペット保険もあります。
「健康なうちに加入しないと意味がない」「また年齢制限に引っかからないから保険の選択肢が広がる」という意味で遅くとも7~8歳までにはペット保険の加入、少なくとも検討をすることをおすすめします。
補足ですが、アニコムやプリズムコールではシニア向けのペット保険商品もあります。しかし保険料も高くなり、補償内容のグレードも普通のプランより下がってしまいます。
高齢・シニア向けのペット保険については下記の記事でも解説していますのでぜひ参考にしてください。
よくある質問
猫を撫でていて偶然にお腹のしこりを発見しました。小さくて柔らかいしこりで触っても痛がりません。大丈夫でしょうか?
愛猫が「肝細胞癌」と診断されました。治った例もあると言われたのですが完治が期待できるのでしょうか?
ペット保険は必要?
ペットには公的な保険制度がありません。そのため治療費の自己負担額は100%です。
もしもの時に、お金を気にせずペットの治療に専念できるよう健康なうちにペット保険に加入することをおすすめします。
また、病気になった後では加入を断られる可能性があります。
ペット保険比較表や記事を活用するのがおすすめ!
ペット保険比較アドバイザーでは、ペットに合った保険の選び方やペットの健康に関するお役立ち記事を公開しております。
記事と合わせて比較表も活用することで、ペットと飼い主様に合った保険を選ぶことができます。
また、保険会社のデメリット等も理解できるので、後悔しないペット保険選びができます。
ペット保険への加入を検討されている方はぜひご活用ください。
ペット保険比較アドバイザーでは公式LINEでの「ペット保険の適正診断」「保険相談サービス」を開始いたしました。
従来の比較表だけではわかりづらいペット保険の補償内容の範囲や充実度を踏まえたうえで、保険の募集人資格 を持った、ペット保険のプロが提案させていただきます。
【猫の腫瘍】手術費用の相場は?検査費用やしこり等の症状も解説!まとめ
今回、ペット保険比較アドバイザーでは
・猫のがんの治療法と治療費
・猫のガン予防に飼い主のできること