動物病院の治療費が高くて払えない?治療費の相場や対策法も解説
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大切なペットが病気に!
慌てて動物病院に駆け込み、治療が終わって目にした請求書には予想外の金額が・・・。
手術を勧められたが、とても治療費を支払う余裕がない・・・。
経験した方はお分かりでしょうが、動物病院の料金は「高い」!
・治療費が払えない時の対処方法
・ペットの治療費の準備方法
犬の手術費用の相場
犬や猫を家族に迎えた時「この子が将来病気になる」などと考えないでしょう。
しかし、それが現実になったとき、どのくらいの治療費がかかるのか知っておくことは大切です。
大手ペット保険会社アニコムどうぶつ白書2019 犬の手術TOP10 (1回あたりの診療費)によると以下のようになります。
病名 | 中央値(円) | 平均値(円) | |
1 | 歯周病/歯肉炎 | 50,450 | 61,547 |
2 | その他の皮膚腫瘍 | 69,660 | 84,586 |
3 | 消化管内異物/誤飲 | 105,009 | 128,024 |
4 | 乳腺腫瘍/乳腺腫瘤 | 102,249 | 119,208 |
5 | 膝蓋骨(亜)脱臼 | 196,776 | 220,711 |
6 | 子宮蓄膿症 | 138,456 | 155,240 |
7 | 全身の腫瘍 | 90,974 | 117,702 |
8 | 外傷(挫傷/擦過傷/打撲) | 113,735 | 187,078 |
9 | 歯根膿瘍/根尖膿瘍 | 54,011 | 66,588 |
10 | 骨折(前肢) | 168,696 | 190,655 |
これらは犬の手術で頻度の高いものですが、まだまだ高額な治療費が必要な場合は少なくありません。
近年ペットの高齢化に伴い白内障を患う犬も増えてきいますが、犬も手術によって視力を回復できるようになってきました。両眼の手術を行うと50万円程度の費用が必要になります。
犬の死因の一位になっている「癌」ですが、手術を行い、その他抗がん剤の治療などすべて行うと100万円をこえることもめずらしくありません。皮膚腫瘍や乳腺腫瘍の場合「お腹や乳腺にしこりがある」という形で発見しやすく治癒率も高くなります。
一方、体の中にできる癌(肝臓・腎臓・膀胱等)、肺がん(多くは転移巣)、血液リンパ系(リンパ腫・白血病)、神経系(脳腫瘍・脊髄腫瘍)などは初期症状を見逃しやすく、手遅れになることもあります。
肝がん・肺がん・脳腫瘍などの手術費用はおおよそ50万円前後ですが、診断までの検査やその後の治療につなげるとかなり高額な治療費がかかります。
また、高齢の犬に多い僧帽弁閉鎖不全症の手術を、人工心肺を使って弁置換術を行った場合も100万円は軽くオーバーするでしょう。
犬の平均寿命も延びて、また動物医療の目覚しい発展も伴い、多くの動物が寿命を永らえることができています。
マイナビニュースの記事を見るとペットの飼い主300人を対象にしたアンケート結果が出ています。対象人数が300人と少ない調査なので、これがもっと規模の大きい調査でも同じ結果が出るかどうかわかりませんが参考になるでしょう。
『もし、愛犬の治療に高額な医療費がかかると言われたら?』という問いに対して
5万円以上ならあきらめる | 2.7% |
10万円以上ならあきらめる | 12.3% |
25万円以上ならあきらめる | 12.0% |
50万円以上ならあきらめる | 12.3% |
100万円以上ならあきらめる | 15.0% |
300万円以上ならあきらめる | 3.0% |
金額に関係なく治療する | 42.7% |
ペット保険に未加入なら全額が自己負担
日本では、人は皆保険制度があり、多くの場合治療費の1~3割を負担すればよいことになっています。そのうえ高額療養費制度があり、月単位で一定額以上の治療費は個人が支払う必要はありません(上限額は収入によって異なる)。また、年末調整などで医療費控除で税金が減額されることになります。
犬は「飼い主の所有物」という扱いになるので、かかった治療費は全額飼い主さんが支払わなければなりません。
ペットの生涯治療費は犬の場合125~156万円、猫の場合は120万円程度といわれています(参考:ナビナビ保険)。
手術費用が払えないとどうなる?
愛犬がけがをして大急ぎで病院へ。外傷もひどく骨折もしているようで、緊急手術が必要になりました。
とにかく助けてくださいとお願いして手術を受けたのですが、治療の請求書を見てびっくり。
このようなケースも珍しくありません。
とにかく「その費用をなんとかしなくては」と思うのですが「手元にお金がない」「愛犬の病院代が払えない」。
こんな時に、病院代を支払わないままずるずると・・・ということはあってはなりません。
動物病院のスタッフは小さな命を救うために治療を行います。その報酬である治療費を支払わないことは「お店のものを持ち帰って代金を支払わない」のと同じです。
治療前にお金がないことが分かれば治療はできない
「お金がないのですが、治療してください」という道理は通るはずもありません。特に、初めての動物病院では「他をあたって下さい」と言われるでしょう。
かかりつけの動物病院なら、それまでのお付き合いの中で「お金がない場合でも少しなら待ってもらえる可能性」もあります。が、あまり期待はできないでしょう。いずれ支払わなければならないお金です。
治療後に分かった場合は最悪「訴訟」になる
治療を受けた場合、なんとかして治療費を調達する人が大部分です。
しかし、「払えないものは払えない」と高をくくって、住所や連絡先も虚偽のものを記載するという悪質な飼い主もいるようです。
① 病院から督促がある(協議)
治療を受けて治療費を支払わなければもちろん、病院から「支払いはどうなっているのでしょうか」という連絡はあるでしょう。支払いが遅れていてもこの時点で何とかしておきましょう。
動物病院も法的手続きをとる前に、協議によって回収を試みることが一般的です。具体的には、未払診療報酬を請求する内容証明郵便を送付しつつ、電話・メールなど可能な接触方法を利用して接触・交渉を試みます。
(きちんとした方法をとるなら)協議が可能であれば、最終的に合意書を作成して支払いを確認して解決、という流れになりますが、支払いができれば一番です。
しかし、治療費を支払わない場合法的な手段に出られる場合もあります。
②民事調停
調停は、簡単に言えば、裁判所で行うお話合いです。調停委員という非常勤の裁判所職員が中立の立場で双方の言い分を聞き、落としどころを探っていきます。柔軟な解決が模索できる一方、飼い主には出頭する義務もなければ合意する義務もありません。相手に話し合いの姿勢が見えない場合は次の方法をとります。
③ 支払い督促
法的手段によって「支払い督促」の申し立てをします。
④ 民事訴訟
交渉ができない、調停でも話がまとまりそうに場合は、民事訴訟の提起を検討します。
⑤ 強制執行(仮差し押さえ)
滞納者の預金口座や勤務先がわかる場合は、預金債権、給与債権の差し押さえを行うことがあり得ます。訴訟を起こしたり弁護士に依頼すると時間も費用も掛かるので実際にこのような例は少ないようですが、ないわけではありません(治療費未払の時効は5年)。
ペットの治療費を支払わず音信不通となった相手方に対して、相手方の給与を差し押さえることにより未払い治療費の全額回収に成功した例:弁護士法人グレイス
犬の手術費用が払えない場合の対処法
前出のマイナビニュースの記事によると『もし愛犬に高額な治療費が必要になったらどう工面する?』という質問に対して
・貯金があるから心配ない ・親族に借りる ・クレジットカードを使用 ・ローンを利用 治療しない
・クラウドファンディングや募金を募る ・知人や友人に借りる ・消費者金融を利用する
という結果が出ています。
ここで、貯金がない場合治療費を工面するにはどうすればよいのか整理してみました。
分割払いの相談
基本的に治療費の分割はできないでしょうが、まずは窓口で聞いてみましょう。
正直に「ペットの治療をきちんとしてやりたい気持ち」と、「まとまった治療費をすぐには払えない現状」を話して手術代や入院費などを分割にしてもらえないか相談してみましょう。
またクレジットカードの支払いに対応している病院なら分割は可能です。クレジットカードの利用できる病院は全体の2割程度ですが該当するか否か把握しましょう。
以下のサイトでクレジットカードの使える病院を検索できます。
ペットローンを利用する
ペットローンを利用できるのはスルガ銀行とイオン銀行の2社のみです。
銀行名 | プラン名 | 融資可能金額 | 年利 | 飼養目的 |
スルガ銀行 | 動物医療ローン(ヘルスケアプラン) | 10~100万円 | 6.0~12% | ペットの治療費・健康管理等 |
動物医療ローン(高度医療プラン) | 100~800万円 | 4.0~7.5% | 高度先進医療に対応 | |
ペットローン(オーナーズプラン) | 10~100万円 | 6.0~12.0% | ペット関連全般 | |
イオン銀行 | ペットローン | 10~700万円 | 3.8~8.5 | ペット関連全般 |
ペットローンは他のローンに比べて金利が安く設定されていますが、審査条件が厳しくなっています。
金利は各銀行が個々に審査して決定します。傾向としては初めて借りる場合や金額が少ない場合は高めになるようです。
人にお金を借りる
とにかくすぐに用立てたい場合、家族や友人などに借りる場合が多いでしょう。お金を借りる場合は親しい人でも必ず借用書を書きましょう。
トラブル防止と自分のけじめとして大切ではないでしょうか。
借用書に最低限、必要な記載事項は以下のとおりです。
・タイトル(借用書)
・作成日
・金額
・返済方法、返済期日
・お金を借りる人の名前、住所、印鑑
・お金を貸す人の名前
これら6つの事項が記載されていれば、法律的に有効な借用書になります。借用書を記載する用紙は、とくに規制がありません。記載内容が明記され押印されていればメモ書きでもOKです。
クレジットカードで支払う
「分割払いの相談」の項でも書きましたが、クレジットカードの対応している病院は全体の2割程度です。
カードローンを使う
カードローンとはクレジットカード会社などの貸金業者や金融機関が提供している個人向けの融資サービスです。
カードローンを契約すると、コンビニや銀行のATMで現金を引き出したり、インターネット経由で自分の口座へ借り入れしたりできます。
審査で設定される利用限度額の範囲内であれば、すぐに何度でも、自由に借り入れができるのも特徴です。入会金や年会費は無料なので、急にお金が必要となる場合に備えて持っておくと安心できます。
利息は銀行系のカードローンの利子は14.5%・消費者金融系のものは18.0%が一般的です(利息には幅がありますが、特別の場合を除いては最高利息が適用される場合が多いので覚えておきましょう)。
代表的なカードローンをいくつか紹介します。
【銀行カードローン】
審査は厳しめですが、金利は消費者金融系に比べて低く設定されています。
三菱UFJ銀行 バンクイック ・みずほ銀行カードローン・三井住友銀行カードローン
フリーローンを使う
フリーローンは目的を定めないローンです。例えばスルガ銀行の場合ペットローンの審査が通らなかった場合、フリーローンを利用することもできます。
扱いとしては「目的別ローン」の一種ですが使途が定められていないローンです。ただし、投資や事業資金には当てられません。金利はカードローンよりは低めに設定されています。
犬の手術費用を払えなくなる前に準備できること
ペットを家族として迎えるとき、その小さくてかわいい命をずっと自分が守っていこう、と思われるでしょう。
しかし、実際に「どういう病気になったらどれくらいの費用がかかるか」ということを考える方は少ないようです。
では、現実的な問題としてどのようにし治療費用を準備したらよいでしょうか?
それは「ペット保険に加入」することです。高額な治療費の助けになり、治療の選択肢を広げることもできます。
ペット保険に加入する
「ペットに手術を受けさせてやりたいけどお金がない」「病院代が足りなくて払えない」「入院費が払えない」。
そんな事態にならないように、ペット保険があります。
ペットには公的保険制度はありませんが、民間のペット保険会社がさまざまな商品を販売しています。
2022年現在、日本国内でペット保険を販売している保険会社は16社になります。
それぞれの保険会社が複数の保険商品・プランを販売しており、組み合わせも考えるとその数は50以上にもなります。
商品の主流は通院・入院・手術をすべて補償対象にする「フルカバー型」で、その他にも「通院特化型」「手術特化型」などがあります。
補償割合は「50%補償」「70%補償」が主流ですが「100%補償」という商品もあります。
各保険会社や補償プラン、ペットの年齢などによって「保険料」が変わってきます。
いずれにしろ、様々な角度から検討して、ベストな保険に加入しましょう。
注意すべきは検討するにあたって「入ってはいけないペット保険」が浮上してくると思います。それは
・終身でない保険(契約更新の年齢制限のある保険)
・その犬種が罹りやすい病気が補償されない保険
・加入後に発症した先天性・遺伝性疾患を補償しない保険
と言えるでしょう。
当サイトには保険に関する記事もたくさんあるので参考にしてください。
動物病院ごとの料金を比較しておく
動物病院の治療費は各動物病院によって異なります。
同じ症状で同じ治療を受けても、治療費は同じではありません。
動物を家族として迎えたら、治療費が安い動物病院のリサーチをし、併せて周囲の人の評判なども聞いて情報収集しておきましょう。
最近ではHPを開設している病院も多く、一般的な病気の治療費やワクチン接種などの料金を公表しているところもあります。
よくある質問
チワワの帝王切開の手術費用はどれくらいでしょうか?
愛犬がレントゲン検査で脾臓の腫瘍が見つかりました。精密検査はまだですが、悪性の血管肉腫だった場合、手術費用や余命はどれくらいでしょうか。
ペット保険は必要?
ペットには公的な保険制度がありません。そのため治療費の自己負担額は100%です。
もしもの時に、お金を気にせずペットの治療に専念できるよう健康なうちにペット保険に加入することをおすすめします。
また、病気になった後では加入を断られる可能性があります。
ペット保険比較表や記事を活用するのがおすすめ!
ペット保険比較アドバイザーでは、ペットに合った保険の選び方やペットの健康に関するお役立ち記事を公開しております。
記事と合わせて比較表も活用することで、ペットと飼い主様に合った保険を選ぶことができます。
また、保険会社のデメリット等も理解できるので、後悔しないペット保険選びができます。
ペット保険への加入を検討されている方はぜひご活用ください。
ペット保険比較アドバイザーでは公式LINEでの「ペット保険の適正診断」「保険相談サービス」を開始いたしました。
従来の比較表だけではわかりづらいペット保険の補償内容の範囲や充実度を踏まえたうえで、保険の募集人資格 を持った、ペット保険のプロが提案させていただきます。
【動物病院の治療費が高くて払えない?治療費の相場や対策法も解説】まとめ
今回、ペット保険比較アドバイザーでは
・動物病院の治療費が高額で払えないときの調達法
・ペット保険加入は治療費の助けになる