ミニチュアダックスフンドの寿命を老衰で迎えるには？老犬の症状など
ミニチュアダックスフンドの平均寿命は、12～16歳と言われています。全犬種の中でも、丈夫で長生きする傾向があり、重病にかからず老衰で亡くなるケースも多い犬種です。
この記事では
・ミニチュアダックスフンドが老衰を迎える時に出る症状
・ミニチュアダックスフンドが長生きするコツ
「ミニチュアダックスフンド」とは
ダックスフンドは、ドイツ出身の犬種で、もともとはアナグマなどの動物を捕まえる狩猟犬でした。
ミニチュアダックスフンドは、さらに小さな動物を捕らえるために、スタンダードタイプを小さく改良して誕生した犬種です。
足が短く胴が長い体型が特徴で、海外では「ソーセージドッグ」の愛称でも親しまれています。
性格は、好奇心旺盛で活発、飼い主に忠実で甘えん坊の一面もあります。
ミニチュアダックスフンドの平均寿命は？
ミニチュアダックスフンドの平均寿命は、12～16歳と言われています。
寿命は、もちろん個体によって差はありますが、全犬種の中でも長生きする傾向のある犬種です。
飼育環境次第で、より長く生きることが期待できるでしょう。
ミニチュアダックスフンドの平均寿命を人間に換算すると？？
ミニチュアダックスフンドの平均寿命の12～16歳は、人間の年齢に換算すると、おおよそ64～80歳になります。
ミニチュアダックスフンドのような小型犬は、2歳で人間の23歳くらいに相当し、その後からは1年に4歳分ずつ歳をとると考えられています。
一般的に小型犬は、7歳頃からシニア期、10歳前後からは高齢期に入ります。
シニア期に入ると、毛に白髪が混ざってきたり、毛色が薄くなってくるなどの変化が少しずつ表れるようになります。
高齢期に入ると、徐々に視力や聴力が低下し、寝る時間が増え、食欲が落ちてくるなど、老化のサインが顕著に見られるようになります。
| 犬の年齢（小型犬） | 人の年齢 |
| 6ヵ月 | 11～13歳 |
| 1歳 | 15～16歳 |
| 2歳 | 24歳 |
| 3歳 | 28歳 |
| 4歳 | 32歳 |
| 5歳 | 36歳 |
| 6歳 | 40歳 |
| 7歳 | 44歳 |
| 8歳 | 48歳 |
| 9歳 | 52歳 |
| 10歳 | 56歳 |
| 11歳 | 60歳 |
| 12歳 | 64歳 |
| 13歳 | 68歳 |
| 14歳 | 72歳 |
| 15歳 | 76歳 |
| 16歳 | 80歳 |
| 17歳 | 84歳 |
| 18歳 | 88歳 |
| 19歳 | 92歳 |
| 20歳 | 96歳 |
ミニチュアダックスフンドの最高齢は何歳？
ミニチュアダックスフンドの最高齢は、21歳114日のギネス記録を持つ、アメリカ出身のChanelちゃんです。
Chanelちゃんは、1988年5月6日に生まれ、2009年8月28日まで長生きし、21歳と4ヶ月弱ほどです。
犬の21歳は、人間の年齢に換算すると100歳を超えるご長寿で、とても珍しいことです。
ただ、犬の平均寿命は10数年前と比べ、室内飼育が増えたことや、ドッグフードや医療の発展のおかげで、延び続けています。
これから先、20歳を超える犬は更に増えてくるかもしれませんね。
ミニチュアダックスフンドが老衰を迎える時に出る症状
ここでは、ミニチュアダックスフンドが高齢化した時に、どのような症状があらわれるかを解説します。
ミニチュアダックスフンドの老化現象
ミニチュアダックスフンドの代表的な老化現象は、以下のようなことが挙げられます。
・散歩や運動を嫌がる
・食欲が低下する
・見た目や身体機能の変化
睡眠時間が増える
犬は高齢になると、基本的に睡眠時間が長くなります。
夜だけでなく、昼間もよく寝ている時間が増えたようなら、老化のサインと考えられます。
おもちゃなどにもあまり興味を示さなくなり、好奇心が減って、眠ることを優先するようになります。
散歩や運動を嫌がる
散歩に行きたがらなかったり、行ってもすぐに帰りたがるようになるのも老化の兆候のひとつです。
今まで歩いていた距離が、老化が始まった犬にとっては、負担となっているかもしれません。
老犬にとって、無理のない距離の散歩をするようにしましょう。
食欲の変化
老犬になると、味覚や嗅覚が変化することによって、食の好みも変わります。
今まで食べていたフードを、急に残すようになったり食べなくなったりすることがあります。
また、消化機能や基礎代謝の低下などによって、食欲が落ちることも多いです。
見た目や身体機能の変化
犬は高齢になると、皮膚や被毛、目や口内など、見た目の変化や身体の機能の衰えも出てきます。
皮膚にイボができたり、被毛に艶がなくなり白髪が増え始め、目ヤニや耳垢が増えるなどの変化が見られます。
視力や聴力の低下、また高齢犬は、歯周病にかかりやすくなり、口臭がきつくなることも多いです。
老衰で最期を迎える直前におこりえる症状
ミニチュアダックスフンドは、特に重病にかからず、歳をとって老衰で亡くなることも多い犬種です。
老衰で亡くなる前は、以下のような症状が見られることが多いです。
・食事を口にしなくなる
・下痢や嘔吐が増える
ミニチュアダックスフンドが丈夫で長生きするために注意すべき病気とは？
ここでは、ミニチュアダックスフンドが、かかりやすい注意すべき病気について解説します。
注意すべき病気①：進行性網膜萎縮（PRA）
進行性網膜委縮（PRA）は、遺伝性の目の疾患で、ミニチュアダックスフンドに多く見られる病気です。
進行性の病気で、網膜の異常により、徐々に光を感知できなくなってしまい、最終的には失明してしまいます。
原因が遺伝によるものなので、予防法がなく、完治のための治療法もありません。
初期症状は、暗い場所での視覚低下が起こります。
もし暗い場所で物にぶつかったり変な動きをしていたら、動物病院で診てもらってください。
進行を遅らせるために、ビタミンEを含む抗酸化剤やサプリメントを処方してもらいます。
費用は検査代と薬代を含めて3,000～5,000円程度です。
また、病気が進行すると、白内障を併発することがあります。
失明した後も、愛犬がストレスやケガがなく暮らせるように、生活環境に気を配ってサポートしてあげる必要があります。
注意すべき病気②：椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアは、ミニチュアダックスフンドがかかりやすい代表的な病気のひとつです。
背骨の骨と骨の間にある椎間板が変形し突出してしまうことで、脊髄という神経を圧迫し、痛みや麻痺が生じます。
悪化すると、歩行困難になってしまったり、排泄のコントロールができなくなってしまうこともあります。
椎間板ヘルニアになる原因は、「軟骨異栄養症」という遺伝子を持っていることがひとつです。
軟骨異栄養症の遺伝子を持つ犬種を、軟骨異栄養犬種と言い、ミニチュアダックスフンドの他に、コーギー、シー・ズー、ビーグル、ペキニーズ、フレンチ・ブルドッグなどが挙げられます。
もうひとつの原因は、加齢によるものです。
椎間板は、内側の髄核（ずいかく）と外側の繊維輪（せんいりん）という物質から成り立っています。
加齢によって、外側の繊維輪が変性し肥大して盛り上がることで、脊髄を圧迫し、椎間板ヘルニアが起こります。
軽症の場合は、レーザー治療や痛み止めなどの内科療法を行うのが一般的です。
重症となり麻痺を起こしている場合は、外科手術を行う必要があり、術後のリハビリがとても重要となります。
治療費は、進行具合によっても異なり、内科療法であれば1～10万円前後、外科手術を行う場合、15～30万円程度は必要です。
遺伝が原因の場合、完全に予防することは難しいですが、重症化を防ぐためにできることはあります。
激しい運動、階段の上り下り、2本足で立たせるなど、背中や腰に負担のかかることは避けるようにしましょう。
また、滑りやすい床材にはマットを敷いたり、肥満にならないように気を付けることも予防対策となります。
注意すべき病気③：アレルギー性皮膚炎
ミニチュアダックスフンドは、アレルギー性皮膚炎が生じやすい犬種でもあります。
アレルギー性皮膚炎の原因は、食物、ノミ、ハウスダスト、花粉などさまざまです。
症状は、アレルギーによっても異なり、皮膚炎や結膜炎、鼻水、くしゃみ、喘息などの呼吸器症状、下痢や嘔吐などの消化器症状などです。
食物アレルギー性皮膚炎の場合、肉類、魚、乳製品、穀物、野菜、果物など、あらゆる食材が原因となる可能性があります。
アレルゲンを特定するには、アレルギー反応を起こす可能性のある食材を除いて食事を与える「除去食試験」を行います。
アレルギー検査は、検査の種類によっても違い、1つの検査が1～3万円前後になります。
愛犬が、身体を痒がっていたり、皮膚に赤みなどの異常が見られたら、動物病院で診てもらってください。
注意すべき病気④：洞不全症候群
洞不全症候群とは、心臓の洞結節という部位の働きが鈍くなることで、不整脈を起こす病気です。
特に症状がないこともありますが、心不全、虚脱、失神などを引き起こすこともあります。
原因は、加齢や他の心臓病との関わりがあると考えられていて、特に高齢になって発症することが多いです。
ミニチュアダックスフンドも、洞不全症候群の好発犬種として名前が挙がります。
他の犬種では、ミニチュア・シュナウザー、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア、アメリカン・コッカ―スパニエル、パグなどの高齢犬がかかりやすい病気と言われています。
予防は決定的なものはなく、発症したら、飲み薬を定期的な検査をしながら続けていきます。
反応が鈍い場合や重症の場合は、外科療法でペースメーカーを心臓に植え込みます。
ペースメーカーの植え込み手術の費用は、検査や入院費も含め100～200万円程度と高額になります。
注意すべき病気⑤：外耳炎
外耳炎は、特にたれ耳の犬に多い病気です。
ミニチュアダックスフンドも垂れ耳の犬種なので、外耳炎にならないように注意しなくてはなりません。
耳が垂れているため、通気性が悪く、ゴミや菌が耳にたまり、耳の穴から鼓膜までの外耳部分に炎症を起こしてしまいます。
原因は、密集した耳毛や間違った耳掃除、高温多湿の環境などが挙げられます。
また、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーが関係していることも多いです。
症状は、耳の赤みや腫れ、臭いにおい、耳垢の量が増えるなどがあります。
また、後ろ足で耳をずっとかいていたり、床に頭をこすりつける、頭を頻繁にふるなどの動作も見られるようなら注意が必要です。
治療は、耳洗浄や点耳薬の塗布、必要があれば内服薬を用います。
重症になると、耳の中から膿が出てきたり、痛みが強いため触られることを嫌がることがあります。
治療費は、軽度の場合で1回3,000～5,000円程度、重症になると手術になることもあり5～10万円ほどかかります。
重症化する前に異変に気付いて、早めに動物病院を受診することが大切です。
ミニチュアダックスフンドが長生きするコツ
犬は、良好な飼育環境によって寿命を伸ばせることが期待できます。
ミニチュアダックスフンドに、少しでも長生きしてもらうためにできることを紹介します。
長生きのコツ①：健康的な食事
ミニチュアダックスフンドは、活発で運動量も多い犬種です。
丈夫な筋肉を維持するために、食事に良質なたんぱく質を取り入れるといいでしょう。
また、ミニチュアダックスフンドは食べることが大好きで、あげればあげた分だけ残さず食べてしまいます。そのため、肥満にもなりやすい犬種です。
おやつを与えた分の、食事量を減らすなど、カロリーコントロールをする必要があります。おやつの与え過ぎには十分注意してください。
一度太ってしまうと適正体重に戻すのは、とても大変です。普段からバランスのとれた食事を摂れるように意識しましょう。
長生きのコツ②：適度な運動
ミニチュアダックスフンドは、体は小さいですが運動量は多めです。散歩は、1日30分を2回に分けて行くといいでしょう。
散歩や運動が足りないと、ストレスがたまって、いたずらやトイレの失敗、無駄吠えなどの問題行動につながります。
また、運動不足によって肥満になってしまうと、生活習慣病や椎間板ヘルニアを誘発してしまう恐れがあります。
ただし、長すぎる散歩や、激しい運動、階段の上り下り、高い場所からのジャンプなどは腰に負担がかるので避けてください。
長生きのコツ③：適切な温度管理
ミニチュアダックスフンドは、足が短く、地面と身体の位置が近いため、特に暑さに弱い犬種です。
夏の暑い時期は、日中の散歩は避け、早朝や夕方から夜の時間帯に散歩へ行くようにします。
特にアスファルトは高温になるので、手で触って熱くなっていないか確かめるようにするといいでしょう。
室内の温度は24～26℃くらいを目安に、湿度は50～60％を保つようにします。
快適と感じる室温には、犬によっても個体差があるので、愛犬の様子を見ながら温度管理をするようにしてください。
留守番中もエアコンは切らずにつけっぱなしにしておくようにしましょう。
一方で、ミニチュアダックスフンドは寒さに比較的強い犬種です。
冬の室温は、20℃前後に設定するといいでしょう。
ただし、暑さと同じように寒いと感じる感覚には個体差があります。
痩せ気味の犬や、スムースコートの短毛種は、ロングコートに比べて寒がりです。
また、子犬や老犬は体温調節がうまくできないので、寒さに弱くなります。
愛犬が寒がっていたら、ブランケットやペット用の暖房器具などで暖めてあげましょう。
長生きのコツ④：清潔さを保つ
愛犬の飼育スペースを清潔に保つことも大事なことです。
犬は基本的に清潔な動物で、不潔な環境は犬にとってもストレスとなります。
トイレをしたらすぐに処理して、部屋を清潔に保ちましょう。
溜まった埃や抜け毛は、犬にも人間にとっても、アレルギーの原因となります。
掃除や換気もこまめに行う必要があります。
また、犬の身体自身もきれいにケアをしてあげてください。
ブラッシングは抜け毛対策にもなるので、できれば1日1回、少なくても週に1回は行うといいでしょう。
ブラッシングは、血行を促進するマッサージ効果もあり、毛艶を良くしてくれます。
また、皮膚の異常やしこりの発見にもつながります。
シャンプーは、基本的に月に1～2回の頻度で大丈夫です。
シャンプーのしすぎは、皮膚トラブルを引き起こす原因になることがあります。
長生きのコツ⑤：ストレスのない環境
ミニチュアダックスフンドは、室内で飼うことが基本です。
快適な温度と清潔さを保った室内で過ごせるように心がけましょう。
近年の犬の平均寿命が伸びているのは、以前と比べ、室内飼いが増えたことが理由のひとつとして挙げられます。
また、犬は自分のテリトリーがあると安心します。
ケージ内に犬用のベッドやブランケットを入れて、心地よい居場所をつくってあげましょう
長生きのコツ⑥：ヘルニアに気を付ける
ミニチュアダックスフンドが最もかかりやすい病気のヘルニアに気を付けるようにしましょう。
前にも書いたように、ヘルニアに関しては遺伝的要因があり、完全な予防は難しいですが、リスクを下げることはできます。
まずは毎日のバランスの良い食事と、適度な運動をすることがとても重要です。
運動で筋肉をつけておくと基礎代謝が上がり、肥満の予防になります。
また、椎間板ヘルニアの術後のリハビリには、筋肉が必要です。
もともと筋肉がしっかりついていれば、回復も早いでしょう。
また、高齢になった時にも丈夫な身体を維持でき、老化のスピードを遅らせることができます。
長生きのコツ⑦：定期的に健康診断を受けよう
定期的に健康診断を受けることは、病気の早期発見・早期治療につながります。
最低でも、1年に1回は動物病院で健康診断を受けるようにしましょう。
7歳を超えてシニア期に入ると、病気になるリスクは上がるため、半年に1回の健康診断がベストです。
健康なうちに検査を受けておくことで、愛犬の基準が見えてきます。
例えば、肝臓機能の数値が基準値内でも高めだったり、白血球の数が少なめなどが把握でき、普段の生活で気を付けるべきことが分かります。
また、定期的に受けることで、体の変化を数値で見ることができます。
費用は、動物病院や検査内容にも異なりますが、基本的な血液検査だけであれば5,000円前後、レントゲンとセットの検査で1～2万円程度となります。
病院によって、パックプランなどになって料金設定がされていることもあります。
信頼できる動物病院で、愛犬にとって最適な検査を獣医師と相談し、事前に費用を聞いておくといいでしょう。
健康診断は、愛犬の健康を守るための大切な検査です。
何も異常がなければ、安心して過ごすことができ、何かの不具合が見つかっても、早期に治療を開始することができます。
よくある質問
犬の老衰はどのようなものですか？
長生きする犬の特徴はありますか？
ペット保険は必要？
ペットには公的な保険制度がありません。そのため治療費の自己負担額は100％です。
もしもの時に、お金を気にせずペットの治療に専念できるよう健康なうちにペット保険に加入することをおすすめします。
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【ミニチュアダックスフンドの平均寿命は？老衰を迎える時の症状は？】まとめ
今回、ペット保険比較アドバイザーでは
・ミニチュアダックスフンドが老衰を迎える時に出る症状
・ミニチュアダックスフンドが長生きするコツ
