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ペット保険でヘルニアは補償される?手術費用や保険適用の注意点も解説

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犬のヘルニアはペット保険会社によって補償の対象になるか異なります。ヘルニアの治療費は手術費用含めて高額になるケースが多いため、しっかり適用・補償されるペット保険選びが重要です。

ヘルニアは、犬に発症することが多い病気です。マンチカンやメインクーン等の一部の猫種もかかりやすいとされていますが、比較的猫で椎間板ヘルニアは少ないです。
医療費も高額になることが多いのでペット保険に入っておくと安心です。
ただ、費用が補償される条件はペット保険会社によって違います。
ヘルニアに関しても、補償の対象とならず適用されないケースもあるのでしっかり条件を確認しておきましょう。

この記事では

・ペット保険対象になるヘルニアの種類
・椎間板ヘルニアの原因
・椎間板ヘルニアの治療法・治療費
について解説します。
最後までお読みいただければ、「ペット保険で補償の対象になるヘルニアの種類」「椎間板ヘルニアの治療法・治療費」わかるようになっていますので、ぜひ最後までお読みください。


 

椎間板ヘルニアとは

椎間板ヘルニアは、背骨(脊椎)の椎骨の間にある椎間板が変性し飛び出して、脊椎の上にある太い神経(脊髄)を圧迫する神経の病気です。

神経がダメージを受けることで、痛みや麻痺などの神経症状を引き起こします。

重症化すると、立ち上がることが難しく歩行障害になってしまったり、排尿のコントロールができず、おしっこを漏らしてしまうこともあります。

 

ペット保険でヘルニアは補償の対象?

犬のヘルニアは、ペット保険会社によって対象になるかどうかが異なります。

ヘルニアは、先天性が関係していることも多いので、「加入後に発症した先天性疾患」が補償の対象となるかどうかもしっかり確認しておくようにしましょう。

代表的な人気のペット保険各社の補償内容は以下の通りです。

椎間板ヘルニア鼠径ヘルニア臍ヘルニア加入後に発症した
先天性疾患
アニコム
アイペット
ペットアンドファミリー※1※1
楽天ペット保険
PS保険
いぬとねこの保険
FPCペット保険
SBIプリズムコール
SBIいきいき少短
リトルファミリー

※1『げんきナンバーわんスリム』の場合、「病化(腹膜炎や壊死など)しており、その治療として実施した場合」のケースはお支払い対象となります。

椎間板ヘルニアは、ほとんどの保険会社で補償の対象となりますが、加入後に発症した先天性疾患の場合は対象とならないケースもあります。

鼠経ヘルニアは、楽天ペット保険とPS保険以外、臍ヘルニアは、各保険会社で補償の対象外となっています。

 

椎間板ヘルニアの分類

椎間板ヘルニアは2つの種類に分けられます。

ハンセンⅠ型:先天的なもの

ハンセンⅡ型:加齢によるもの

ハンセンⅠ型とハンセンⅡ型は、椎間板を構成する成分のどの部分が突出したかによって分類されます。

ハンセンⅠ型:石灰化した髄核が飛び出して脊髄を圧迫

ハンセンⅡ型:厚くなった繊維輪が脊髄を圧迫

ハンセンⅠ型は、主に軟骨異栄養犬種と言われる犬種に多く、遺伝が関係しています。

ハンセンⅠ型に多い犬種
・ダックスフンド
・ウェルシュ・コーギー
・パグ
・ペキニーズ
・フレンチ・ブルドッグ
・ビーグル
・コッカ―・スパニエル など

ハンセンⅠ型に多い軟骨異栄養犬種は、遺伝的に椎間板の中の髄核の変性が1~2歳くらいから始まり、石灰化が起こって椎間板ヘルニアになりやすいとされています。

3~6歳頃に、前もった前兆などがなく、痛みや麻痺などが急に生じることが多いです。

ハンセンⅡ型は、加齢によって椎間板が変性し、厚くなった繊維輪が脊髄を圧迫します。

慢性的に経過し、痛みやふらつきなどの症状が徐々に悪化していきます。

発症する年齢は、6歳以降の成犬から老犬に多く見られます

非軟骨異栄養性犬種と呼ばれる犬種に多く見られ、特に多い犬種は以下のとおりです。

ハンセンⅡ型に多い犬種
・柴犬
・ミニチュア・ピンシャー
・マルチーズ
・ジャーマン・シェパード
・ラブラドール・レトリバー
・ゴールデン・レトリバー など

椎間板ヘルニアは、上記以外でも全ての犬種に発症する可能性があります。

 

椎間板ヘルニアの原因

椎間板ヘルニアの原因は、ハンセンⅠ型とハンセンⅡ型で違います。

ここでは、それぞれの原因について解説します。

 

ハンセンⅠ型(髄核(ずいかく)の石灰化)

ハンセンⅠ型は、髄核(ずいかく)の石灰化が原因です。

髄核は、椎間板の内側にある組織で、繊維輪と呼ばれる組織に囲まれています。

髄核の石灰化が起こって硬く変性すると、日常生活の動作により少しずつ繊維輪に細かいヒビをつくりだします。

最終的には突き破って貫通し、脊髄を圧迫してしまいます。

 

ハンセンⅡ型(加齢によるもの)

ハンセンⅡ型は、加齢により椎間板が変性し、椎間板の外側の繊維輪が厚くなって、少しずつ脊髄を圧迫して起こります。

ハンセンⅡ型は、軟骨異栄養犬種以外の犬が発症することが多いです。

成犬から老犬に多く、症状の進行は緩やかですが、慢性進行性で、安静にしていても症状は進行してしまいます。

加齢によって発症するので、全ての犬種に起こる可能性があります。

 

椎間板ヘルニアの症状

椎間板ヘルニアの症状は、進行具合や部位によっても異なります。

重症化させないためにも、症状に早期の段階で気付いて、適切な治療を受けるようにしましょう。

 

進行具合による症状

犬が椎間板ヘルニアを発症すると、痛みや違和感などによって見せる行動があります。

軽度の椎間板ヘルニアの症状は、以下のようなことが挙げられます。

・部屋の隅で丸くなる
・腰を丸めて丸くなる
・段差の昇り降りをしなくなる
・散歩や運動を嫌がる
・抱っこをすると鳴き声をあげる など

さらに症状が進行すると、以下のようなことが見られるようになります。

・歩くときふらついてしまう
・立ち上がれなくなる
・足が動かなくなる
・おしっこを漏らしてしまう
どのような症状が出ているかによって、椎間板ヘルニアの進行具合が分かり、治療方法が変わってきます。
軽度の場合だと、最近激しい運動をしなくなった」くらいで済ましてしまい、症状を見逃しがちです。

早期発見ができるように、普段から愛犬のことをよく観察し、気になることがあれば早めに動物病院を受診するようにしましょう。

 

部位による症状

犬の脊椎(背骨)は、頸椎に7本、胸椎に13本、腰椎に7本、合計27本からできています。

それぞれの脊椎の間にクッションの役割となる椎間板があり、首・胸・腰の全ての部位にヘルニアが発症する可能性があります。

発症した部位によっても症状が違います。

頸部椎間板ヘルニア(首)

・首に痛みやしびれがある
・前足、後足の麻痺
・前につんのめって歩く
・横たわって歩けない
首の部位に椎間板ヘルニアを発症すると、首の痛みや前足、後足の麻痺が生じます。
そのため、歩く時に前につんのめってしまったり、横たわって歩くことができないなどの症状が見られることが多いです。

胸腰部の椎間板ヘルニア(胸・腰)

・胸や腰に触ると痛がる
・後ろ足に力が入らない
・腰が上がらなくなる
胸腰の部位に椎間板ヘルニアを発症すると、後ろ足に力が入らず動かなくなることが特徴です。
胸や腰を触ると痛がったり、腰を上げられなくなるなどの症状が見られることもあります。

椎間板ヘルニアの進行度(グレード)

椎間板ヘルニアは症状の度合によって、5つのグレードに分けられます。

グレードによって治療内容や改善率にも差があるので、椎間板ヘルニアになったらグレードを把握しておくようにしましょう。

ハンセンⅠ型では、グレードが突然進行することもあるので、治療中もグレードの進行に注意が必要です。

グレード1痛みのみ
グレード2不全麻痺・ふらつき
グレード3完全麻痺・起立不能
グレード4排尿困難
グレード5感覚消失

グレード1:痛みのみ

麻痺はなく、痛みがある状態です。

機能障害はなく歩けますが、痛みを感じて背中を丸める姿勢になります。

触ったり抱きかかえた時に痛がって「キャン」と鳴いたり、散歩や運動、段差を嫌がるようになります。

 

グレード2:不全麻痺、ふらつき

歩行はできますが、後ろ足の力が弱く、ふらついたり足先をすって歩いたりします。

また、後ろ足が裏返しになった状態で立つこともあります。

 

グレード3:完全麻痺

皮膚の感覚はありますが、後ろ足が完全に動かせなくなります。

そのため、歩けなくなったり、前足だけで下半身を引きずって進むようになります。

 

グレード4:排尿障害

皮膚の感覚がなくなりますが、感覚が少し残っているため強い痛みは感じます。

自力で排尿ができなくなり、膀胱に尿がたまった状態になります。

体を動かしたり吠えたりすることで尿が漏れてしまうこともあります。

 

グレード5:深部感覚の消失

痛みの感覚がなくなります。

つねったり後ろ足の先を器具などで強く挟んでも全く痛みを感じません。

グレード5は、椎間板ヘルニアの中で最も重く、回復率は著しく低い状態です。

グレート5まで進行する前に適切な治療を行うことが望ましいです。

もし進行してしまったら、出来るだけ早めに外科手術を行うことが推奨されます。

 

椎間板ヘルニアの予防法

椎間板ヘルニアは、残念ながらハンセンⅠ型もハンセンⅡ型も根本的な予防法はありません。

普段の生活で注意することで、発症を遅らせたり症状の軽減が期待できます。

 

標準体型を維持する(太らせない)

子犬の頃から、バランスの良い適切な量の食事と、適度な運動で、太らせないようにしておくことが大切です。

おやつのあげ過ぎには注意して、1日に必要なエネルギー量の10%以内におさめるようにしましょう。

また、犬にとっては、毎日の散歩が大切な運動になります。

犬種や犬の大きさ、年齢によっても適切な散歩時間や運動量に差があります。

犬の大きさ別での散歩時間の目安は以下のとおりです。

散歩時間の目安
10kg以下の小型犬:20~40分(1日2回)
10~20kgの中型犬:40~60分(1日2回)
20kg以上の大型犬:60分程度(1日2回)

運動不足は肥満の原因になりますが、反対に運動のやり過ぎは、足や腰に負担がかかってしまうのでその点にも注意してください。

愛犬にとって適切な運動をするように心がけましょう。

標準体重も、犬種や個体によってそれぞれ違います。

それぞれの個体の体格を見て触って理想体重を決めるボディコンディションスコア(BCS)を参考にして、肥満にならないよう体重管理をすることが大切です。

 

無理な姿勢をとらせない

二本足で立たせたり、過度なジャンプ、体勢を変えられないほどの狭い場所に長時間いさせるなど、無理な姿勢をとらせないようにしましょう。

抱っこをする時も、抱き方に気を配る必要があります。

犬の両脇に手を入れて持ち上げる縦抱きは、犬の肩関節や背骨、腰に負担がかかってしまうため良くありません。

また、犬を仰向けにしての抱っこも、背骨がUの字の湾曲になり大きな負担がかかっています。

基本的な抱き方は、片手を犬の脇に入れて手のひらで肩・胸を支え、もう片方の手でお尻を支えるように抱きます。

必ず胴体と腰は、一緒に持ち上げるようにします。

地面と犬の体がなるべく平行になるように意識して抱っこをしましょう。

 

フローリングを避ける

フローリングのような床材は、滑りやすく犬の足腰に負担がかかります。

床が滑りやすいと、椎間板ヘルニアだけでなく骨折や膝蓋骨脱臼などの心配もあります。

滑りやすい床材には、マットやカーペットを敷いて対策をしましょう。

ペット用として販売されているカーペットは、撥水加工や消臭機能が備わっているものが多いのでおすすめです。

また、被毛が長い種類の犬は、足裏の毛が伸びていると歩く時に滑りやすくなってしまいます。

足裏の毛を定期的に短く整えてあげることも大切です。

 

その他のヘルニアについて

そもそもヘルニアとは、臓器や脂肪などが本来のあるべき位置から飛び出してしまっている状態のことを言います。

そのため、ヘルニアと言っても部位によって名前が違い、症状や原因もさまざまです。

 

鼠径(そけい)ヘルニア

鼠経ヘルニアは、足の付け根(鼠径部)にある隙間から、腸・子宮・膀胱などの臓器が飛び出した状態を言います。

俗称で「脱腸(だっちょう)」と呼ばれることもあります。

 

鼠径(そけい)ヘルニアの症状

鼠経ヘルニアの症状は、飛び出した臓器の種類や状態などによっても異なります。

飛び出したものが脂肪だけの場合、無症状ということもあります。

飛び出してしまったのが腸や膀胱などの臓器の場合、本来の役割を果たすことができなくなることがあり、早めの治療が重要です。

腸が飛び出ると腸閉塞、膀胱が飛び出ると排尿障害などの症状が現れることがあります。

 

鼠径(そけい)ヘルニアの原因

鼠経ヘルニアの原因は、先天的に起こる場合や、事故などの外傷や腹圧の上昇などによって後天的に起こることもあります。

後天的に起こった場合も、生まれつき鼠径部に異常があることが原因となっていると考えられています。

鼠径(そけい)ヘルニアになりやすい犬種

鼠経ヘルニアになりやすい犬種は、以下のような犬種が挙げられます

・バセンジー
・ペキニーズ
・プードル
・チワワ
・ダックスフンド など
先天性が原因の鼠経ヘルニアは、去勢手術をしていないオスによく見られます。
後天性が原因の鼠経ヘルニアには、避妊手術をしていない中年齢以上のメスによく見られる傾向があります。

鼠径(そけい)ヘルニアはペット保険の対象になる?

鼠経ヘルニアは、楽天ペット保険、PS保険がペット保険の対象になります。

『げんきナンバーわんスリム』(ペットアンドファミリー)の場合、「病化(腹膜炎や壊死など)しており、その治療として実施した場合」のケースはお支払い対象となります。

 

臍(へそ)ヘルニア

臍ヘルニアは、おへそにできるヘルニアで、いわゆる「でべそ」です。

「へそヘルニア」または「さいヘルニア」と呼ばれます。

 

臍(へそ)ヘルニアの症状

臍ヘルニアは、痛みを伴わなず、1歳くらいまで放置しておいても自然に治ることが多いです。

ただし、押しても元に戻らない状態になってしまうと、臓器の血行が悪くなり、飛び出した部分が変色し、痛みが出てきてしまうこともあります。

悪化すると腸閉塞を起こすこともあり、早急な手術が必要になります。

臍(へそ)ヘルニアの原因

臍ヘルニアの原因は、ほとんどが先天的な原因によって発症します。

親が臍ヘルニアにかかったことがある場合、子犬も発症する可能性が高いです。

臍(へそ)ヘルニアになりやすい犬種

臍ヘルニアになりやすい犬種は、下記のような犬種が挙げられます。

・シーズー
・キャバリア
・ペキニーズ
・ポインター
・アメリカン・コッカ―・スパニエル
・秋田犬 など
オスとメスの発生頻度の差は特にないとされています。

臍(へそ)ヘルニアはペット保険の対象になる?

臍ヘルニアは、各保険会社でペット保険の補償の対象外とされています。

鼠経ヘルニアと同様に、『げんきナンバーわんスリム』(ペットアンドファミリー)の場合、「病化(腹膜炎や壊死など)しており、その治療として実施した場合」のケースはお支払い対象となります。

 

椎間板ヘルニアの治療方法

椎間板ヘルニアの治療は、大きく分けると内科治療と外科治療の2つで、治療後の段階としてリハビリテーションがあります。

グレードや症状によって治療方針や回復率が異なってきます。

外科治療内科治療
グレード190%90%
グレード290%90%
グレード390%50%
グレード490%50%
グレード550%以下5%以下

グレード5に進行してからも、時間が経過すればするほど神経へのダメージがさらに深刻となり回復率は下がります。

ハンセンⅠ型では、グレード3、4から急にグレード5へ進行してしまうこともあり、グレード3以上では外科手術が推奨されます。

 

外科的治療の特徴

外科的治療とは、いわゆる手術のことで、突出して脊髄を圧迫している椎間板物質を摘出します。

一般的には中~重度の症状が見られる場合に手術を行うことが多いです。

原因となっている椎間板の場所を、造影レントゲン、CT、MRI検査などで特定し、手術を行います。

外科的手術を行う場合、入院期間は平均して1週間程度ですが、症状によっても異なります。

 

<治療費と自己負担金額例>

まずは、外科的治療の治療費がだいたいどれくらいになるかを紹介します。

基本診察料約1,000~5,000円
入院費(7~14日間)2~15万円
検査費用3~10万円
手術費用15~20万円
薬の処方5,000~3万円

下記の費用は、椎間板ヘルニアと診断され、手術と入院を行った例です。

犬種:ミニチュア・ダックスフンド

年齢:8歳

手術:1回

入院日数:6日

診療項目金額
診察1,500円
入院(5泊6日)20,400円
検査39,700円
MRI8,9ooo円
全身麻酔15,000円
手術127,300円
点滴12,200円
処置7,100円
注射23,000円
2,450円

参照:犬の手術・通院費用はどのくらいかかる? | ペット保険のアイペット損保 (ipet-ins.com)

診療項目のそれぞれの金額は一例であって、一般的な平均値ではありません。

各項目の金額は、動物病院によって異なります。

【治療費総額】

合計337,650円

70%補償の保険プランに入っていた場合

補償額 236,55円自己負担額 101,295円

 

内科的治療の特徴

内科的治療は、グレード1~2の症状が軽度の場合に行われます。

治療法は、「ケージレスト」と呼ばれる方法を行うことが多いです。

「ケージレスト」は、4~6週間の一定期間をケージの中で運動させず、安静にさせておくという方法です。

また、非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAIDS)やステロイドの内服などの薬剤を併用します。

他にも、背骨を安定させるためのコルセットを装着したり、レーザー、針治療を行うなど治療法はさまざまです。

実施できる治療法は、病院によっても違うので、治療内容について動物病院でよく相談するようにしましょう。

内科治療は、外科治療に比べるとかかる金額は下がりますが、再発率は高くなります。

<治療費と自己負担金額例>

内科的治療費のだいたいの費用は以下のとおりです。

基本診療費約1,000~5,000円
薬の処方約5,000~3万円
レーザー治療約5,000~5万円
レントゲン、CTなど検査費用約1~5万円
合計約2~15万円

症状、治療内容、治療期間によっても金額が異なります。

症状によっては、入院して絶対安静で高濃度のステロイドとレーザー治療を集中して行うこともあります。

退院後は、通院してレーザー治療を1週間おきに通常3回行います。

<治療の例>

犬種:フレンチ・ブルドッグ

年齢:3歳

入院日数:2日

治療内容:レーザー治療

【治療費総額】

合計52,660円

70%補償の保険プランに入っていた場合

補償額 32,662円自己負担額 19,998円

 

リハビリテーションの特徴

リハビリテーションは、手術の後に脊髄圧迫が解除され、内科治療が良好に経過している際に行います。

リハビリテーションの内容には以下のようなものがあります。

・マッサージ
・筋量増加訓練
・バランスボール
・水中ウォーキング
・大型プール など

リハビリテーションの内容は動物病院によって違います。

内容によっては代替医療となり、保険の補償対象外となることが多いです。

リハビリの主な目標は、痛みの緩和、術後の消炎、神経機能・運動機能の回復で、症状や術後の経過などによって変わっていきます。

適切なリハビリは、効果的で早期の回復に繋がります。

逆に不適切なリハビリを行うと、病態の悪化を招く恐れがあります。

病院でのリハビリは、基本的に通院して定期的に行うものです。

自宅で毎日できるリハビリ方法も、獣医師のアドバイスをもらって取り組むようにしましょう。

 

椎間板ヘルニアの治療費

椎間板ヘルニアの治療費は、治療法や動物病院によっても大きく変わってきます。

重症であるほど治療費が高くなる傾向があり、外科的治療となった場合、入院費、検査費用、麻酔、薬剤などの金額が含まれます。

ペット補保険会社のアニコムの請求例を紹介します。

入院費38,000円
手術費用150,000円
全身麻酔15,000円
静脈点滴5,000円
静脈注射5,000円
鎮痛剤5,000円
MRI検査125,000円
CT検査40,000円
レントゲン検査4,500円
合計387,500円

参照:保険の必要性│ペット保険「どうぶつ健保しにあ」│ペット保険のご契約は【アニコム損保】 (anicom-sompo.co.jp)

合計治療費は、検査内容や入院日数によっても大きく変わってきます。

椎間板ヘルニアの治療費の相場は、外科的手術を行った場合、20~40万円程度と高額です。

ペット保険に加入していない場合は、もちろん全額を自己負担することになります。

ペット保険は各保険会社によっても異なりますが、補償割合は70%・50%が多いです。

上記の金額387,500円の場合では、以下のような計算になります。

補償される金額自己負担する金額
補償割合70%271,250円116,250円
補償割合50%193,750円193,750円

ペット保険で椎間板ヘルニアは補償される?

犬のヘルニアは、ペット保険会社によって対象になるかどうかが異なります。

ヘルニアは、先天性が関係していることも多いので、「加入後に発症した先天性疾患」が補償の対象となるかどうかもしっかり確認しておくようにしましょう。

代表的な人気のペット保険各社の補償内容は以下の通りです。

椎間板ヘルニア鼠径ヘルニア臍ヘルニア加入後に発症した
先天性疾患
アニコム
アイペット
ペットアンドファミリー※1※1
楽天ペット保険
PS保険
いぬとねこの保険
FPCペット保険
SBIプリズムコール
SBIいきいき少短
リトルファミリー

※1『げんきナンバーわんスリム』の場合、「病化(腹膜炎や壊死など)しており、その治療として実施した場合」のケースはお支払い対象となります。

椎間板ヘルニアは、ほとんどの保険会社で補償の対象となりますが、加入後に発症した先天性疾患の場合は対象とならないケースもあります。

 

椎間板ヘルニアにおすすめのペット保険は?

椎間板ヘルニアはCT・MRI検査や手術費用も含めて、治療費含めて大変高額になりやすい病気です。

そのため日額制限が無いタイプのペット保険のほうがおすすめです。仮に一日だけで高額な治療費がかかったとしてもしっかり補償されるようなペット保険を選びましょう。

日額制限が無いタイプのペット保険

ペット&ファミリー(げんきナンバーわんスリム)

契約後の病気や怪我を理由にした補償内容の変更は一切なし。
安心して終身継続いただけます。
※保険期間は1年間です。1年毎の自動継続により、終身加入できます。継続の手続き方法の詳細は、「重要事項説明書」等をご覧ください。
引用:ペット&ファミリー

※補償内容や保険料について必ず重要事項説明書・保険約款もご確認ください

 

よくある質問

犬の椎間板ヘルニアに合併症はありますか

犬の椎間板ヘルニアに伴って発症する進行性脊髄軟化症という病気があり、重症度がグレード5の犬の1割程度に発生すると言われています。原因は、ヘルニアや事故などによる脊髄への強い衝撃で、脊髄の壊死が急性に頭側、尾側へと広がっていきます。壊死の進行を止めたり遅らせたりするような効果的な治療がなく、短期間のうちに死に至る恐ろしい病気です。

犬の椎間板ヘルニアは再発することがありますか?

犬の椎間板ヘルニアは、内科的治療のみの場合、約30%の確率で再発が起こります。症状が回復したと見えても、激しい運動などで同じ個所が痛み出したり痺れたりすることがあります。治療が終わった後も背中や腰に負担のかからない生活を心がけましょう。外科的手術では、原因となっている椎間板を取り除くことに成功しても、隣接した椎間板で発症することがあります。隣接する椎間板に造窓術をすれば再発率が下げられます。

ペット保険は必要?

ペットには公的な保険制度がありません。そのため治療費の自己負担額は100%です。

もしもの時に、お金を気にせずペットの治療に専念できるよう健康なうちにペット保険に加入することをおすすめします。

また、病気になった後では加入を断られる可能性があります。

ペット保険比較表や記事を活用するのがおすすめ!

ペット保険比較アドバイザーでは、ペットに合った保険の選び方やペットの健康に関するお役立ち記事を公開しております。

記事と合わせて比較表も活用することで、ペットと飼い主様に合った保険を選ぶことができます。

また、保険会社のデメリット等も理解できるので、後悔しないペット保険選びができます。

ペット保険への加入を検討されている方はぜひご活用ください。

【犬のヘルニアはペット保険の対象?椎間板ヘルニアにかかる治療費についても解説!】まとめ

今回、ペット保険比較アドバイザーでは

ペット保険対象になるヘルニアの種類
・椎間板ヘルニアの原因
・椎間板ヘルニアの治療法・治療費
について解説してきました。
ヘルニアは犬に発症しやすい病気で、絶対的な予防法はありません。
ですが、早めの治療をすることで回復することも多いです。
普段から背中や腰に負担をかけない生活を心がけ、気になる症状があれば早めに動物病院を受診するようにしましょう。
ペット保険比較アドバイザーではペット保険に関する記事も掲載しておりますので、ぜひご活用ください。