2ヶ月の子猫の育て方と注意点とは?留守番はさせてもいいの?
2024年4月10日
この記事では
・生後2ヶ月の子猫を迎えた直後にすること
・生後2ヶ月の子猫を迎えて1週間後にすること
生後2ヶ月は子猫にとって大切な時期!
猫の生後2ヶ月は「一生分の知恵と愛情を学ぶ」といわれるくらい大切な時期です。
環境によって子猫の性格が決まります。
母猫は生後2ヶ月になるまでに多くのことを教え込み、子猫が生後六ヶ月になるころには完全に独立するほどの成長スピードです。
【子猫の成長過程】
月齢 | 成長具合 |
---|---|
生後0~1週目 | 生後間もなく、目が見えていない |
生後1~2週目 | 視聴覚が発達し始め、よく動くようになる |
生後2~5週目 | 筋肉や脳が発達し、乳歯が生え始める |
生後5~6週目 | 離乳が始まり自分で排泄できるようになる |
生後6~2ヶ月 | なんにでも興味を持ち好奇心旺盛 |
人間の4倍のスピードで成長する子猫は、生後2ヶ月までに母親から下記のルールを教わります。
- 食事
- 生活環境
- 猫同士のコミュニケーション
- 人間との接し方
子猫が生後5週目になり離乳の時期になると、母猫は狩りの仕方や食べてよいものなどを教えます。
母猫の尻尾で子猫がじゃれている姿を見たことがあるのではないでしょうか。
実は遊びながら反射神経を鍛えて、狩りの予行練習をしているのです。
「食べるもの」は野性の猫だと母猫が捕まえた獲物を目の前で食べて教えますが、飼い猫は母猫が食べる姿を見せて教えます。
また、野生の猫は危険がいっぱいです。母猫は子猫の首根っこをくわえて危険がない場所へ移動し、くつろぐことで安全で快適な場所だと伝えます。
猫同士のコミュニケーションも、母猫やきょうだいと一緒に暮らすことで覚えます。
猫同士で目を合わせるのは「ケンカを売る行為」に当たることなど、しっかり教えておかないと子猫でもかみ殺される危険があります。
母猫は他にも
- じゃれながら噛む力加減
- 仲間との挨拶の仕方
を教えます。
これらのルールを覚えることで、独立しても危険を回避したり、他の猫とうまく打ち解けたりできるのです。
飼い猫の場合は、母猫が人間と接する姿を見てその方法を覚えるため、母猫がフレンドリーだと子猫も人懐っこい傾向が強く現れます。
施行された大きな目的は「生まれた環境で母親やきょうだい、人間にふれあわせ、家庭犬・家庭猫として適切に“社会化”することで、成長後の問題行動を予防する」です。
生後2ヶ月の時期に母親や兄弟から教わることががいかに大切かが分かります。
生後2ヶ月の子猫を迎える前の準備
生後2ヶ月の子猫を迎える前の準備として
・環境を整えておく
があげられます。
子猫が安心して暮らせるように用意しておきましょう。
それぞれ解説していくので参考にしてください。
必要なアイテムを揃える
子猫を飼育するために必要なアイテムは下記のとおりです。
・子猫用のミルクやフード
・猫用トイレ、猫砂
・食器、水入れ
・猫用ベッド
・キャリー
・猫用おもちゃ
数は多くありますが必ず必要なものなので、しっかりと選んであげてください。
各アイテムを選ぶポイントを紹介します。
子猫用のミルクやフード
生後2ヶ月は離乳が始まる時期です。ミルクから徐々に子猫用キャットフードに移行します。
歯が生えてきたのを目安にして、「総合栄養食」と記載されたキャットフードに変えましょう。
総合栄養食のキャットフードは、それだけで子猫に必要なカロリーや栄養素を含んでいます。
「おやつ」や「間食」のフードでは栄養不足になってしまうため、間違わないようにしてください。
下痢をしたら元のふやかしに戻すなど、猫の状態に合わせてカリカリにしていきましょう。
猫用トイレ、猫砂
猫用トイレには多くの種類があります。
・オープンタイプ
・ハーフカバータイプ
・ドームタイプ
・システムトイレ
・上から出入るするタイプ
2ヶ月の子猫は体が小さく、トイレの形状によっては中に入れないものがあります。
オープンタイプやハーフカバータイプ、ドームタイプだと比較的段差が少なく子猫でも入りやすいでしょう。
大きさは猫の1.5倍を目安にしてください。
大きいトイレでも良いのですが入りにくいことを考えて、成長に合わせて買い替えるのがおすすめです。
また猫砂にも
・木材
・紙
・おから
の種類があります。
「鉱物」は固まりやすいのがメリットですが、燃えないゴミとして出さなければいけないといったデメリットがあります。
一方「木材」や「おから」は燃えるごみとして出せますが固まりにくいデメリットがあるため、飼育スタイルや猫の好みに合わせて選びましょう。
食器、水入れ
食器は「ご飯を入れる食器」と水を入れる「水入れ」の2つを準備しましょう。選ぶポイントは安定感です。
食事中や給水中に動かない、安定感があるものを選んでください。
陶器だと食器自体に重さがあるのでおすすめです。
また食器の底に滑り止めが付いているものもいいでしょう。
猫用ベッド
子猫が安心して眠れるよう、ベッドを準備してあげましょう。
フワフワして、丸まった時におさまりがいいサイズがベストです。
猫はどちらかといえば小さいほうが落ち着く傾向があります。
成長に合わせて買い替えると考えて、2ヶ月の子猫には小さめのベッドを選びましょう。
キャリー
キャリーは必要ないと考えられがちですが、実は緊急時に大切なアイテムです。
緊急時とは主に
・避難時
です。
病気だとすぐにでも動物病院で受診しなければいけない場合があります。また、災害での避難は一刻を争う事態です。
これらから、キャリーはいざというときに必要なものだということが分かります。
猫用おもちゃ
猫用のおもちゃはストレス発散に最適です。
猫は狩猟本能があり、動くものを見ると追いかけます。猫用おもちゃで本能をくすぐりましょう。
飼い主さんとのコミュニケーションにも役立つので、数種類のおもちゃを準備して猫と楽しんでください。
環境を整える
新しい環境に来たばかりの子猫は不安とストレスを抱えています。
お迎えする前準備としてできるのは、静かで明るすぎない場所に子猫の居場所を作ることです。
テレビやパソコンから離れた場所がいいでしょう。また人通りが多い場所もNGです。
慣れるまではそっと見守りましょう。
また、子猫にとって危険なものを片付けておくのも大切です。
子猫がじゃれて誤飲しないよう
・ヘアゴム
・ビニール袋
などは、目につかないところにしまいましょう。
他にも「電気コード」や食べると中毒になる「観葉植物」なども注意が必要です。
子猫の場合は緊急のケースが多いため、かかりつけの動物病院を決めておくと安心です。
生後2ヶ月の子猫を迎えた直後にすること
お迎えしてすぐにしておくべきことがあります。
・子猫用のご飯と水をセットする
・トイレトレーニングをする
・甘噛みのしつけをする
・体調管理をする
お迎え直後はケージにトイレやベッドを設置して、1週間ほどは寝食をケージの中で送るようにします。
ケージが安心できる場所だと理解してもらいましょう。
また、お迎え直後の子猫はかわいくて仕方ありませんが、構いすぎないように注意が必要です。
これらのことを踏まえて、子猫をお迎えしてすぐにでもしておきたいことを解説します。
子猫用のご飯と水をセットする
最初にご飯とお水をセットします。ブリーダーやペットショップからお迎えするのであれば、もともと食べていたフードと同じものだと安心するでしょう。
健康状態に問題がないのに食べてくれない場合、ウェットフードを混ぜたりふやかしたりして香りを立たせると食べてくれます。
一方で下痢や嘔吐がみられたら、すぐにでも動物病院で診てもらいましょう。
子猫は数日食べないだけでも低血糖になり、最悪死に至るケースがあります。
食欲不振を甘く見ずに、食べさせる工夫をしましょう。
トイレトレーニングをする
生後2ヶ月になると、自分でトイレに行けるようになります。
猫のトイレトレーニングは犬ほど難しくありませんが、最初はどれがトイレなのかを理解していません。
そのため「ここがトイレだよ」と教えてあげる必要があります。
子猫にトイレを教える方法は下記の通りです。
・ブリーダーやショップから子猫のおしっこのにおいが付いた砂を少しもらって、新しい猫砂に混ぜる
・おしっこをしたペーパーなどを猫砂に置いたり、においを付ける
・そわそわし始めたらトイレに連れていく
においが付いていれば、多くの猫は二度目も同じ場所で排泄を行います。
ただし、トイレの成功率には個体差があるので、失敗しても怒らないでください。
排泄を恐怖と感じ、おしっこを我慢したり隠れた場所でするようになります。
また、どうしてもトイレでおしっこをしないようなら、トイレの形状やトイレ砂が気に入らないことが考えらえます。
猫が使いやすいトイレと砂を見つけてあげましょう。
甘噛みのしつけをする
甘噛みをさせないようにしつけをしましょう。
子猫の時は大したことはなくても、成猫になって噛まれると甘噛みでもケガをします。
そのため人間の手を噛ませないように覚えてもらうことが重要です。
甘噛みのしつけのポイントは3つあります。
- 遊ばせる際には絶対に手を噛ませない
- 「痛い」「ダメ」などの短い言葉で伝える
- 噛まれたら遊んだり構うのをやめる
かわいいからと言って飼い主さんの手を甘噛みさせていませんか?この行動は「人の手を噛んでも良いよ」と教えているようなものなのでやめましょう。
噛まれそうになったら手を引っ込めるなど、噛ませない姿勢が大切です。
もし噛んだら「痛い!」「ダメ!」など短い言葉で伝えます。
言葉はなんでもいいのですが、家族で共通してください。
噛むたびに全員が同じ言葉を投げかけると、徐々に「噛んだらいけないのかな?」と不安がるようになるでしょう。
噛まれた瞬間、遊びをやめるのも効果的です。
噛んだら楽しい時間が終わってしまうことを理解すると、噛み癖が直ります。
すぐに効果は表れないかもしれませんが、あきらめずに教えることが重要です。
猫の場合は言葉で教えるというより「(やってはいけないことを)できないようにする」「嫌なことと関連付ける」方が覚えやすいでしょう。
体調管理をする
子猫にとって環境が変わることは大きな不安とストレスがかかります。
ストレスは体調を崩すきっかけにもなるため、子猫の様子には十分気を配りましょう。
・下痢をしていないか
・元気と食欲はあるか
「便」「元気」「食欲」は健康のバロメーターです。
とくに「下痢」と「食欲不振」は、数日続くだけで子猫にとって致命傷となります。
時には命を脅かすこともあるので、下痢をしていたり1日でも食べない場合には動物病院へ相談しましょう。
様子を見ず、すぐ行動に移すことが重要です。
生後2ヶ月の子猫を迎えて1週間後にすること
子猫をお迎えして1週間後にすることは
・たくさん遊んであげる
・キャリーケースになれさせる
・動物病院へ連れて行く
・ワクチン接種をする
です。
ケージで1週間過ごした子猫はだいぶ慣れており、行動範囲を広げる時期です。
先住猫がいる場合には、このタイミングで少しずつ触れ合わせると良いでしょう。
まずはケージ越しから始め、様子を見ながら徐々に距離を近づけます。
行動範囲を広げるのも先住猫との触れ合いも、慌てずゆっくりと進めていきましょう。
家の中を案内する
ケージの出入り口を開けっ放しにして、家の中を冒険させましょう。
興味がありすぐに飛び出る子や、怖がってなかなか出てこない子など様々です。子猫のタイミングに任せましょう。
性格が垣間見える瞬間ですね。
たくさん遊んであげる
ケージから出てある程度の冒険が済んだら、たくさん遊んであげてください。
生後2ヶ月は母猫にたくさん遊んでもらって社会性を身に着ける時期です。
母親代わりになって飼い主さんが遊んであげることで子猫は愛されていることを自覚し、社会性が育ちます。
また、なでたり抱っこしたりなどのスキンシップにも慣れさせましょう。
人に触れられることに慣れていれば、爪切りやブラッシング、健康チェックなどがしやすくなるのでおすすめです。
キャリーケースになれさせる
キャリーケースに慣れさせるために
・キャリーケースの中でおやつをあげる
などしましょう。キャリーケースを取り入れた遊びをしても良いですね。
キャリーケースは動物病院や災害時など、いざという時なくてはならないものです。
一方で、嫌な時に使用する機会が多いため、キャリーケースを見たら逃げるという猫も多いでしょう。
キャリーケースを嫌なものと結びつけないようにするのがポイントです。
動物病院へ連れて行く
健康診断で一度動物病院に連れて行くのもおすすめです。
かかりつけ医に顔見せをする意味合いで健康診断に連れていきましょう。
その際、月1回のノミダニ駆虫やワクチンスケジュールなどを相談してもいいですね。
ブリーダーやペットショップでお迎えすれば簡単な検査を行いますが、寄生虫がいる場合があります。
気になるようなら便検査をしてもらいましょう。
ワクチン接種をする
生後2ヶ月は初乳の抗体が切れ始める時期です。混合ワクチンはこのころから打ち始めて、1歳までに2回~3回接種します。
混合ワクチンには主に「3種」と「5種」があり、環境によってどちらを選ぶべきかが異なります。
ワクチンスケジュールと種類はかかりつけ医に相談しましょう。
適切なタイミングと回数、種類を提案してもらえます。
生後2ヶ月の子猫の注意点
生後2ヶ月の子猫はなんにでも興味がある一方、体力がないため低血糖や低体温などの危険があります。
そのため生後2ヶ月の子猫の注意点は
・室温は25℃前後に保とう
です。
どちらも放置すると死に至る場合があるため、甘く考えずにきちんと対処しましょう。
下痢をした場合はすぐに動物病院へ
子猫が下痢をした場合には、様子を見ずにすぐにでも動物病院を受診しましょう。
子猫が下痢をする原因には大きく下記のようなことが考えられます。
・消化不良
・寄生虫やウィルスに感染
食事の水分量によっては便が緩いことがあります。フードを切り替えるタイミングによっては消化不良で下痢をします。
フードの切り替え中に下痢がみられたら、元のふやかした状態に戻して様子を見ましょう。
また寄生虫やウィルスでも下痢を引き起こします。寄生虫やウィルスでの下痢は治療をしないと続くため、動物病院で診てもらいましょう。
放置すると死亡してしまうので、下痢が続くようなら動物病院で処置をしてもらうことが重要です。
室温は25℃前後に保とう
生後2ヶ月の子猫は体温調節が上手にできないため、外部から保温してあげる必要があります。
子猫を飼育する際の室温は25度前後が適温でしょう。ほかにもペットヒーターなどを使用すると安心です。
低温やけどを防ぐために、ペットヒーターは毛布などで覆って使用してください。
体温は生命活動と深い関わりがあります。
体温が下がると食欲不振や元気喪失だけでなく心臓や呼吸が停止してしまうため、子猫のうちは保温に細心の注意を払いましょう。
生後2ヶ月の子猫は体調を崩しやすい
生後2ヶ月の子猫はとにかく体調を崩しやすく、動物病院に連れていく回数が多くなります。
ペットフード協会が行った「令和5年 全国犬猫飼育実態調査」では、「最近1年間動物病院へ行った回数」が調査されています。
年齢別に最も多かった回答は
・ 1~6歳(成年期) 1回(34.5%)
・7歳以上(高齢期) 0回(40.3%)
で、子猫が動物病院にかかりやすいことが分かります。
また子猫がかかりやすい病気として主に
・結膜炎
・胃腸炎
・猫カゼ
があげられます。
これらの病気にくわえて「異物誤飲」や「骨折」などのケガが加わることがあり、手術になると医療費は全額負担のため、高額になりがちです。
十分な治療を受けさせるためにも、ペット保険への加入をおすすめします。
通院補償があるペット保険に加入しておけば、ちょっとした体調不良でも安心して動物病院へ連れていけますね。
もしもの時にも対応できるよう、ペット保険を検討しておきましょう。
よくある質問
子猫をお迎えした翌日にはひとりで留守番をさせなければいけません。注意点を教えてください。
温度管理にも気を配り、寒すぎたり暑すぎたりしないよう配慮が必要です。
成猫になり落ち着くまではケージの使用をおすすめします。危険なものから子猫を守ることができ、安心して留守番させられるでしょう。
生後2ヶ月の子猫の標準体重はどれくらいですか?
また、オスよりメスのほうが小柄です。愛猫が他の猫より小さくても、順調に体重が増えているのであれば心配ありません。
一方で、子猫の体重が増えなかったり減るようなら健康状態に問題がある可能性があります。かかりつけの動物病院に相談してみましょう。
ペット保険は必要?
ペットには公的医療保険制度がありません。そのため診療費の自己負担額は100%です。
もしものときに、お金を気にせずペットの治療に専念できるよう健康なうちにペット保険に加入することをおすすめします。
また、病気になった後では加入を断られる可能性があります。
ペット保険比較表や記事を活用するのがおすすめ!
ペット保険比較アドバイザーでは、ペットに合った保険の選び方やペットの健康に関するお役立ち記事を公開しております。
記事と合わせて比較表も活用することで、ペットと飼い主様に合った保険を選ぶことができます。
また、保険会社のデメリット等も理解できるので、後悔しないペット保険選びができます。
ペット保険への加入を検討されている方はぜひご活用ください。
【生後2ヶ月の子猫の育て方】まとめ
今回、ペット保険比較アドバイザーでは
・生後2ヶ月の子猫を迎えた直後にすること
・生後2ヶ月の子猫を迎えて1週間後にすること