ペット保険の告知はバレない?告知内容や告知義務違反等も解説!
2023年9月3日
ペット保険は、飼い主さんにかかる経済的、精神的負担を減らし、治療の選択肢も広げることができるため、加入を検討している飼い主さんは多いかと思います。
この記事では
・告知義務の内容
・告知義務違反するとどうなるか
ペット保険の告知義務とは?
ペット保険に加入する際には、ペットの基本情報や現在のペットの健康状態や、傷病歴などを申告する必要があります。
これを告知義務といいます。
告知する事項は、保険会社によって若干変わってきますが、主にペットの健康状態や、これまでにかかったことのある疾患、既往歴を正しく告知することが重要になります。
ペット保険の告知義務の内容や理由
告知義務の内容は、ペット保険会社によって若干変わってきますが、告知する内容はある程度決まってます。
ここでは、ペット保険での告知義務の内容となぜ告知する必要があるのかについて解説します。
ペット保険における主な告知の内容
ペット保険加入時の主な告知内容はおよそ以下の通りになっています。
1:飼育目的であるか
愛玩動物として飼育目的の場合にはペット保険に申し込むことができます。
しかし、事業目的(繁殖用・興行用・闘争用・狩猟用等)で犬猫を飼われている場合には、ペット保険には申込みできません。
*盲導犬などの補助犬の場合は適用されます。
2:ペットの基本情報
ペットの名前や、生年月日や品種、体重などの基本情報を告知する必要があります。
3:既往歴や持病について
先天的な疾患や尿石症、関節疾患、心臓病などあらゆる病気を持っていないかどうかについて告知します。
4:過去数ヶ月~1年内に治療目的で動物病院に通院しているか
過去3ヶ月や一年以内に治療目的で動物病院に通院しているかを告知します。
*ワクチンや去勢、避妊などの予防診療の場合は告知の必要はありません。
5:他にペット保険をかけ持ちしていないか
ペット保険を複数掛け持ちしているかどうかを告知します。
ペット保険で告知義務がなぜあるのか
ペット保険は人間と同様に、加入者が出し合った保険料で相互扶助する制度です。
病気にかかりやすい子や高齢で弱っている子、治療中の病気がある子も健康な子と同様にペット保険に加入できてしまうと加入者間で公平性が失われてしまいます。
そのため、ペット保険に加入する際には、これまでかかったことのある傷病歴などのペットの健康状態や、他のペット保険と掛け持ちしていないかどうかなどを正しく告知する必要があります。
ペット保険のかけ持ちについては下記の記事でも詳しくかいせつしていますので、ぜひ参考にしてください。
ペット保険の告知義務違反は必ずバレる!
ペット保険の告知義務違反は必ずバレます。
告知の真偽の調査については、プロの専門家がおこなっています。
また、獣医師には最低3年間はカルテを保存する義務があるため、後で調べようと思えば、カルテを見ることで簡単に虚偽を見抜くことができます。
そのため、病気を隠す等の虚偽でペット保険に加入したとしても、保険金請求時の時には必ずバレます。
告知の調査は専門家が行っている
告知の調査は保険調査員とよばれる専門家によって行われています。
保険調査員とは、保険加入時や、保険金の請求時に告知や請求が虚偽なく行われているかをチェックする人々のことです。
こうしたプロの調査員の厳重なチェックがあるため、虚偽の告知が通ることはほとんどありません。
また、保険金請求時にも怪しいものがあれば、実際に担当の獣医師に電話をしてチェックしていますので、虚偽の申告はほとんどバレてしまいます。
告知内容の虚偽がペット保険会社にバレた場合
ペット保険は基本的に掛け捨て保険のため、解約まで支払っていた保険料が無駄になってしまいます。
また、解約までにはならないが保険料が値上げされてしまうケースもあります。
告知義務違反になってしまったトラブル
告知義務違反は重いペナルティーが課されますので、虚偽の告知は行わないようにしましょう。
また、飼い主さんが意図せずに告知義務違反になってしまうケースもあるので注意が必要です。
1:診察を受けたことを忘れていた場合
例えば、保険に加入する何ヶ月か前に皮膚の腫瘤を動物病院でみてもらったが、飼い主さんがそのことをすっかり忘れてしまっており、現在も皮膚のできものがあるにもかかわらず、保険加入時に告知しなかった場合には解約になってしまうことがあります。
このように、単純に忘れていたといったことでも解約につながってしまうので病院にどういった理由でかかっていたかはしっかりとメモしておきましょう。
2 : 飼い主が病気や怪我と認識していない場合
例えば、膝の病気である膝蓋骨脱臼を例にあげてみます。
数年前の子犬のときに、動物病院に行って「膝が少しゆるいね」と言われていたとします。
飼い主さんは、現在症状もなく、病気と思っていなかったためペット保険加入の際に告知しなかった場合、告知が不十分になる可能性があります。
獣医師さんも、しっかり説明しなかったのは悪いですが、これは膝蓋骨脱臼という病気があり、現在症状がなく様子をみているという状況になります。
告知内容には、「現在治療を受けていないが様子をみている症状等があるか」という項目があり、このような場合でも告知しなければ、告知違反となり何らかのペナルティーが課される可能性があります。
3: ペット保険詐欺
また事件に発展するケースもあり、詐欺罪に問われる可能性も十分にあります。
2013年滋賀県では院長と飼い主が結託し、保険金82万5千円を不正請求したというペット保険詐欺事件がありました。
獣医師が保険加入前に見つかった疾患を加入まで診断をつけず、飼い主さんに虚偽の告知をさせ保険金をだまし取っていたケースです。
飼い主さんは獣医師さんに治療費を保険金でまかなえると促されていたようです。
これは、告知義務違反になりますので、しっかり知識をもちこのような事件に巻き込まれないようにしましょう。
また、仮に疑問点、おかしいと思う点があれば、保険会社に問い合わせてください。
ペット保険各社ごとの告知義務の内容
ペット保険会社によって、保険適用になる疾患や告知する内容が変わってきます。
ここでは、ペット保険会社4社の告知内容についてみていきます。
自分にあったペット保険を探していきましょう。
アニコムの告知内容
①現在までに次の病気で獣医師による診察・治療・投薬・検査(定期的な診察・検査を含む)を受けたことがありますか?
②現在までに、次のケガ・病気で獣医師による診察・治療・投薬・検査(定期的な診察・検査を含む)を受けたことがありますか?
股関節形成不全、膝蓋骨脱臼(パテラ)
大腿骨頭壊死症(レッグペルテス病)
緑内障、白内障、
猫免疫不全ウイルス感染症(※検査結果が「陽性」の場合には告知が必要です)
腫瘍・腫瘤(皮膚のできもの等、※現在消失している場合は「ない」に該当します。)
※皮膚腫瘤以外、現在治療を受けていない場合でも過去に診断があれば「ある」となります。
膝蓋骨脱臼(パテラ)や猫免疫不全ウイルス感染症などは、診断されても経過観察をとることが多いです。
そのため、飼い主さんも告知忘れが多くなってしまうことがありますので注意しましょう。
③過去6ヶ月以内に、以下の病気で獣医師による診察・治療・投薬・検査(定期的な診察・検査を含む)を受けたことがありますか?
アトピー性皮膚炎
尿結石(膀胱・尿道)
膀胱炎
てんかん様発作
痙攣発作
椎間板ヘルニア(※確定診断が無くても、椎間板ヘルニアが疑われた場合には告知が必要です)
歯周病(歯肉炎、歯槽膿漏)
胆泥症
④過去6ヶ月以内に動物病院で予防目的以外での診療を受けたことがありますか?
また、治療中・経過観察中のケガ・病気や症状、継続して使用(服用)中の予防目的以外の医薬品がありますか?
※動物病院に受診されていない場合でも、ご家庭で経過観察中のケガ・病気や症状がある場合はあるに該当します。
症状がない場合でも血液検査・尿検査などで異常値が見られる、定期検査が必要な場合はあるに該当します。
⑤過去1年以内に、ワクチン接種や予防目的での診療を受けた動物病院はありますか?
⑥今回お申込みのどうぶつに他のペット保険等のご契約がありますか?
アイペットの告知内容
①過去に下記の病気であると診断されたことはありますか
②現在、病気やケガで治療中または経過観察中ですか。また過去3か月以内に動物病院にて予防以外の目的で診察を受けていますか
③これまで、先天性異常がある(疑いがある)と診断を受けたことはありますか。
④同一ペットに対する他の保険契約はありますか。
楽天ペット保険の告知内容
①飼育されている目的をご選択ください。
②既にペット保険をご契約されていますか? ※ 解約予定の場合も「はい」となります
③現在までに以下にあてはまる病気、疾患と診断されたり、治療を受けたことがありますか?
※ 確定診断がされていない疑いの場合も含みます。
疾患A 脳疾患(脳炎、水頭症など)、肝不全、肝硬変、膵外分泌不全(EPI)、リンパ管拡張症、巨大結腸症、巨大食道症(食道拡張症)、腎疾患(腎炎、腎不全、腎結石など)、免疫介在性血小板減少症、免疫介在性溶血性貧血、犬糸状虫症(フィラリア)、糖尿病、副腎皮質機能低下症(アジソン病)、副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)、甲状腺疾患、悪性腫瘍
疾患B 歯周病(歯肉炎、歯槽膿漏など)、心疾患(雑音、弁膜症、奇形、不整脈など)、気管虚脱、乳腺腫瘍(悪性を除く)、鼠径ヘルニア、緑内障、白内障、網膜の疾患(変性、剥離、進行性網膜萎縮症など)、炎症性腸疾患(IBD)、肝・胆道系疾患(肝炎、胆泥症など)、膵炎、膝蓋骨脱臼(パテラ)、十字靭帯損傷、股関節形成不全、股関節脱臼、レッグペルテス(大腿骨頭壊死症)
④過去1年以内に、動物病院で病気・ケガと診断されたり、診察・検査・治療を受けたことがありますか?
※ 確定診断がされていない疑いの場合も含みます。
※ 予防・健康診断・正常な出産は該当しません。
※ 前設問の疾患Aおよび疾患Bを除きます。
⑤現在治療は受けていないが様子をみている症状等はありますか?
例)血液検査の数値異常、脱毛、麻痺など
※ 前設問の疾患Aおよび疾患Bを除きます。
PS保険の告知内容
①現在まで以下にあてはまる病気(疑い含む)はありますか?
腎不全、尿結石症(膀胱・尿道)
尿結晶症(ストルバイト・シュウ酸カルシウム等)
水頭症、脳炎、脳神経炎(けいれん発作等含む)、てんかん(特発性含む)
緑内障、白内障
気管虚脱、横隔膜ヘルニア
巨大結腸症、巨大食道症・食道拡張症
炎症性腸疾患(IBD)(リンパ球型質細胞性腸炎、蛋白漏出腸炎、リンパ管拡張症含む)
肝不全・肝硬変(肝線維症を含む)慢性肝炎、門脈シャント、門脈低形成
胆泥症・胆石症
膵外分泌不全、慢性膵炎
免疫介在性溶血性貧血(IMHA)、免疫介在性血小板減少症(IMTP)、
甲状腺疾患
副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)、副腎皮質機能低下症(アジソン病)
糖尿病
自己免疫性疾患(多発性関節炎・リウマチ・天疱瘡、全身性エリテマトーデス等)
悪性腫瘍
猫白血病ウイルス感染症(FeLV)
猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ・FIV)
猫伝染性腹膜炎(FIP)
②現在まで以下にあてはまる病気(疑い含む)はありますか?
発症日、診療期間、診療内容、現在の状態、動物病院名の記載が必要になりますので、正確な情報を記載しましょう。
③過去3ヶ月以内に、動物病院において、予防目的以外での診療を受けたことがありますか?
*診療の結果、問題ない旨の回答があった場合でもあるに該当します。
「皮膚の発疹」「耳のかゆみ」「食欲不振」など一時的な症状で投薬などの治療がない場合でも、診療(通院など)があった場合には、あるに該当します。
④現在、治療中または経過観察中のケガ・病気や症状(継続して症状や異常がある、など)はありますか?
*動物病院に受診されていない場合でも、ご家庭で経過観察中のケガ・病気や症状がある場合はあるに該当します。
*症状がない場合でも血液検査・尿検査などで異常が見られる、定期検査が必要な場合はあるに該当します。
確認事項
以下の場合補償の対象となりません。
・遺伝性疾患および、保険期間が始まる前に獣医師の診断によって既に発見されている先天性異常に対する治療
・保険期間が始まる前に発生したケガ・病気に対する治療
・ワクチン未接種の場合、ワクチン接種によって防げるご病気でのご治療費は補償対象外となります。
よくある質問
ペット保険に加入する際には告知が必要ですが、なかなか複雑でわかりずらいですよね。
以下では、ペット保険の告知に関してよくある質問についてまとめています。
完治した病気も告知義務に入るのか
現在は完治した病気も告知義務に入るのかどうかというのは、ペット保険の告知をするうえでよく聞かれる質問です。
一時的な下痢や皮膚炎など軽い病気や怪我で現在は完治している場合には、保険会社の「過去○○以内に予防目的以外で動物病院に行ったか」で判断してみてください。
特定の期間に該当しない場合には、告知する義務はありません。
しかし、治療はしていないが経過観察している病気の場合は告知する必要があります。
例えば、膝蓋骨脱臼(パテラ)のグレード1では治療はほとんど必要とせず、経過観察することが多いです。
この場合症状が出ていなくても、過去何ヶ月などの期間にかかわらず告知する必要があります。
その他にも重大な疾患や先天的な疾患に関しても、各保険会社の告知条件を確認して該当する疾患はもちろん告知しましょう。
ペット保険加入時以外にも告知が必要な時はあるのか
ペット保険加入時以外にも、告知が必要な場面はあります。
保険会社を乗り換える場合とペット保険会社を掛け持ちする場合の2つがあります。
1: ペット保険を他の保険会社に乗り換える時
いままで入っていたペット保険を別のペット保険会社に乗り換えたいと思った場合には、再度告知が必要になります。
乗り換えは、今契約している保険を解約して、新しい保険に加入するということなので、新たに加入する保険会社にペットの情報を告知することが必要です。
ただし、新たに病気を発症している場合は保険申請が通らない可能性があるので注意しましょう。
2: 他のペット保険と掛け持ちする場合
現在加入している保険会社では、保証内容に満足できず、他の保険会社に加入して掛け持ちする場合があるかもしれません。
最近では、一つ保険会社で通院や治療、入院のすべてを保証するタイプに加入しておいて、さらに別の保険会社で入院・手術に特化したタイプの保険に加入する人が増えています。
こうした場合は、各ペット保険会社に掛け持ちすることを告知する必要があります。
また同じ保険会社でのペット保険を掛け持ちする際にも告知が必要です。
こういった告知義務を違反するとどちらの保険会社も解約となることもありえますので注意しましょう。
ペット保険比較表や記事を活用するのがおすすめ!
ペット保険比較アドバイザーでは、ペットに合った保険の選び方やペットの健康に関するお役立ち記事を公開しております。
記事と合わせて比較表も活用することで、ペットと飼い主様に合った保険を選ぶことができます。
また、保険会社のデメリット等も理解できるので、後悔しないペット保険選びができます。
ペット保険への加入を検討されている方はぜひご活用ください。
補足:先天性疾患が発症する前に!遅くとも7.8歳までには加入しよう
ペット保険は、加入する前に発症している先天性疾患や既に発症している病気や疾患は補償の対象外となります。
そのため、病気になってから保険に加入しようとしても、肝心のその病気の治療費は補償の対象外になってしまいます。
また、加入後に発見できた病気であっても先天性疾患を補償の対象外としているペット保険や、慢性疾患にかかると更新できない保険もあります。
また一般的にペット保険では8~12歳で新規加入年齢を設定していることがほとんどです。早いところでは7歳で新規加入を締め切るペット保険もあります。
「健康なうちに加入しないと意味がない」「また年齢制限に引っかからないから保険の選択肢が広がる」という意味で遅くとも7~8歳までにはペット保険の加入、少なくとも検討をすることをおすすめします。
補足ですが、アニコムやプリズムコールではシニア向けのペット保険商品もあります。
高齢・シニア向けのペット保険については下記の記事でも解説していますのでぜひ参考にしてください。
まとめ:ペット保険の告知は正確に!
今回はペット保険の告知についてお話してきました。
ペット保険加入時には正確な告知をすることが大切です。
・ペット保険に加入する際には告知義務がある
・ペット保険での虚偽の告知や告知忘れは重大なペナルティーにつながる可能性がある。
・ペット保険加入時の告知は正確に行う必要がある
告知内容の虚偽がバレてしまった場合には、以下のような処置が下される可能性があります。
1: 保険金が支払われない
まず、保険金が支払われないパターンです。
正しく補償を受けることができず、保険金がおりなくなります。
また、一度虚偽の告知が通っても保険調査員の厳重なチェックによって虚偽がバレると、後から差額を請求されます。
半額負担や3割負担と思っていたものが全額負担になってしまう可能性もあります。
2: ペット保険の解約、保険料の値上げ
虚偽がバレてしまうと最悪、強制的に解約させられる可能性があります。