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犬の歯磨きは不要?必要性やしていないとかかる病気の重要性等も解説

2023年9月19日

犬の保険

犬の歯磨きは不要?必要性やしていないとかかる病気の重要性等も解説サムネイル

犬に歯磨きが不要な時期はありません。乳歯が生えそろう生後3ヶ月から早く慣れさせることが必要です。高齢になると口内トラブルのリスクが上がり、心臓病等の全身疾患のリスクもあがります。

愛玩犬に歯磨きは重要です。
野生の犬が不要だからといって、ペットとして飼われている犬もそうとは限りません。
私たちが愛犬に与えている食事と野生犬の食べ物の違いを理解する必要があります。

この記事では

について解説します。
最後までお読みいただければ、「おすすめのデンタルケアグッズ」「注意が必要な口腔疾患」もわかるようになっていますので、ぜひ最後までお読みください。


狩った獲物を食べる際、歯垢が除去されるから

です。犬の口内はアルカリ性で虫歯ができにくい環境なため、歯垢が取れれば歯磨きの必要がありません。

犬の食事は丸のみです。野生の犬は歯を使って獲物を食べやすい大きさに引きちぎります。

獲物の生肉は硬く、強い力が必要です。硬い獲物の肉が歯ブラシの役目を果たし歯磨きがいらない状態になるのです。

一方家庭で飼育されてる犬の歯磨きの必要性は、野生の犬との違いで判断すべきです。

 

犬の歯磨き【しなくて良い?必要?】

犬の歯磨きは

歯周病など口腔トラブル予防のためにも推奨

されています。

硬い生肉を主食とする野生の犬と違い、愛玩犬はドッグフードのように噛みやすく、歯にこびりつきやすいものを主食とします。

そのため家庭犬がケアをしてないと3日で歯石になり歯周病などのトラブルにつながります。

歯周病はペットとして飼育されている3歳以上の犬の約80%が患っているほどかかりやすく、身近な病気です。

この歯周病を放置すると

  • 歯周病菌が口内の皮膚を溶かし、穴が開いてしまう「内歯瘻(ないしろう)」
  • 歯周病菌が顔の皮膚を溶かし、目の下やほほに穴が開いてしまう「外歯瘻(がいしろう)」
  • 歯周病菌が骨を溶かし、口と鼻がつながってしまう「口腔鼻腔瘻(こうくうびくうろう)」
  • 歯周病菌の影響であごの骨が溶けて薄くなり骨折しやすくなる

などにつながります。特に小型犬は顎の骨が薄く下顎骨折が多くみられるため注意が必要です。

これらのことから犬にとっての歯磨きの重要性が分かります。

口周りだけでなく歯周病菌の毒素が血流に乗ると
・心臓病
・腎、肝疾患
など内臓疾患の原因にもなります。

 

犬の歯磨き【いつから(何歳)必要?頻度(回数)は?】

犬の歯磨きは乳歯が生え始める生後3ヶ月ごろからはじめましょう。

理由は

・早めに慣れておくため
・子犬でも安心はできないため
です。

愛犬の歯がキレイだから歯磨きは必要ないと考えがちですが、子犬のころからやってないと成犬になって始めても多くは磨かせてくれません

慣れていない犬の中には怒るケースもあり、そうなると歯磨きはおろか口元を触ることさえ不可能です。

また歯がキレイで歯磨きの必要がないようにみえる子犬でも、歯周炎にかかっている場合があります。

ヨークシャーテリアの歯周病に関するある研究では

生後37週齢(生後8ヶ月程度)の段階で98%の犬が初期の歯周炎をもっていた

と報告されていることからも、子犬だからといって油断はできないのが分かります。

特に歯周病リスクが高い

  • 小型犬
  • 短頭種

などは早めのデンタルケアが大事です。

 

犬の歯磨きの頻度

犬の歯磨きは

少なくとも1日おき

に行いましょう。

犬の歯垢は3日程度で歯石に変わります。

犬は虫歯のリスクが人より低いため毎日の歯磨きは必要ありませんが、歯石になってしまうと歯磨きでの除去が難しくなってしまいます。

歯石の除去は動物病院などで専用の機械を使っての処置となるため、愛犬の体の負担も大きくなります。

歯磨きで歯垢のうちに落としておきましょう。

 

犬の歯磨き【歯磨きの仕方やコツ、注意点!】

犬の歯磨きは子犬のころから慣れさせる必要があります。

子犬に慣れさせるのも無理やり歯磨きするのではなく、順を追って行わなければいけません。

ここからは3つのポイントを解説していきます。

  1. 犬が歯磨き嫌いになる理由
  2. 歯磨き上手のステップアップ
  3. 歯磨きの注意点

歯磨き嫌いの理由は、逆をいえばその行動を行わないようにすれば良いといえます。

参考にしてみてください。

 

犬の歯磨きポイント①【犬が歯磨き嫌いになる理由】

基本的に犬の歯磨きは優しく行ってあげましょう。歯垢を除去したいからと強く歯を磨いてしまっては犬が嫌がる原因になります。

ほかにも犬が歯磨き嫌いになる理由としていくつか考えられます。

・口元を触られるのに慣れていない
・歯ブラシが愛犬に合っていない
・口内トラブルで違和感や痛みがある
・無理強いされる

解決策もご紹介します。

 

ケース1. 口元を触られるのに慣れていない

犬の口元は敏感です。そのため多くの犬は口元を触られるのを嫌がります

口元に触られるのに慣れさせるには、

愛犬と遊んでいる時などにさりげなく口元を触って

ください。

顔をなでる流れで口元を触っても良いでしょう。普段から触るとそのうち慣れて、歯磨きの時でも嫌がらなくなります。

 

ケース2. 歯ブラシが愛犬に合っていない

歯ブラシには

  • ヘッドが丸い、三角
  • 毛足が長い、短い

など様々な種類が販売されています。

大きくは小型犬用や大型犬用で分けられている場合が多いのですが、それだけに限らず愛犬に合うものを選ぶことが重要です。

ヘッドの形、毛足の素材や長さ、硬さなど、愛犬の口と歯の形に添って見分けましょう。

 

ケース3. 口内トラブルで違和感や痛みがある

すでに歯周炎で歯茎に炎症が起きている場合など、口内トラブルで痛みなどがあると歯磨きを嫌がります。

そのまま無理に歯磨きをしようとすると

嫌がるだけでなく歯磨き嫌いになり、二度とさせてくれなくなる可能性

があります。

動物病院で処置をしてもらってから歯磨きを行いましょう。

その際、獣医師から歯磨き指導を受けても良いですね。

 

ケース4. 無理強いされる

愛犬が歯磨きを嫌がって無理強いしてしまうケースは多いです。それが毎日長時間続くと歯磨き嫌いになってしまいます。

すべての歯を磨こうとすると時間もかかってしまうので、日によって磨く歯を変えましょう

今日は右側、明日は左側など部分で分ければ大して時間もかかりません。優しく声掛けしながら行ってください。

また

1日おきの歯磨き

という方法もあります。

歯磨きを1日休んでもいきなり歯石には変わらないので、ゆとりをもって歯磨きを行いましょう。

 

犬の歯磨きポイント②【歯磨き上手になるためのステップアップ】

愛犬が歯磨きを嫌にならないよう、段階を踏みましょう。歯磨き上手になるためのステップは5つあります。

順番に行うことで成功率もアップします。

 

ステップ1:口周りを触る

遊んだりおやつを与える時など、何気なく口元を触る方法です。

指や手で触って、「口元を触られるのは嫌なことではない」ことを理解してもらいましょう。

 

ステップ2:口の中に指を入れる

口元を触っても嫌がらなくなったら、遊んでいる時など何気なく口の中に指を入れましょう。

ほかにも

  • 唇を少しめくる
  • 歯茎に触れる

などで口の中も慣れさせましょう。

 

ステップ3:歯をこする

次にぬるま湯で濡らしたガーゼを指に巻いて歯をこすってみましょう。最初は切歯(前歯)から軽くこすります。

嫌がったらすぐに止めてください。

慣れてきたら徐々に奥歯へと移動していきます。

 

ステップ4:歯ブラシに慣れさせる

指ガーゼに慣れてきたら歯ブラシを使用します。

最初は歯磨きではなく慣れさせることが肝心です。

  • においを嗅がせる
  • 舐めさせる

などで歯ブラシが危険なものではないと理解してもらいましょう。この際、歯ブラシに歯磨き粉をのせておくとペロペロと舐めてくれます。

歯磨き粉のフレーバーを何種類か用意しておくと、愛犬が気に入るものが見つかるでしょう。

 

ステップ5:歯磨きをする

これらに慣れたらいよいよ歯磨きです。最初は切歯から始め、犬歯や奥歯を磨き進めます。

奥歯になるとどうしても嫌がる子が多くなるため、嫌がるようなら途中でも無理はせずにやめてしまいましょう。

また最初は歯の表面だけでも大丈夫です。少しずつ裏側も磨けるようにしていきましょう。

無理強いすると歯磨き嫌いになってしまいます。「続きはまた明日」と割り切ることも重要です。

 

 

上手な歯の磨き方

歯垢は歯と歯茎の間に入り込み、細菌感染を引き起こします。歯と歯茎の間までしっかり磨けると歯磨きの効果が得られるでしょう。

ポイントは3つです。

  1. 歯ブラシの角度は歯に対して45℃」 ブラシが歯と歯茎に入り込み汚れを落としやすい。
  2. バス法」 歯ブラシを歯と歯茎の境目あたりにあてて左右に細かく動かしながら磨く方法。歯肉溝の汚れを落とすのに効果的。
  3. フォーンズ法」 歯ブラシで小さな円を描くように磨く方法。歯の表面の汚れが落ち、歯の大きい大型犬や中型犬に効果的。

ポイントを参考にして、いつもの歯磨きをさらに効果的なものにしてくださいね。

 

犬の歯磨きポイント③【注意点】

歯磨きを嫌がる犬は多くいます。最初はできていたけど後から嫌がるようになるケースもあり、歯磨きができないと歯周病や歯肉炎の治療を行っても再発してしまいます

愛犬が嫌がらないようにするためにも、歯磨きが愛犬にとって「嫌なこと」にならないよう注意しましょう。

【歯磨きが嫌にならないようにするためには…】
・良いこととセットにする
・愛犬が好む歯磨き粉を使用する
・リラックスムードで行う
・歯磨きは優しく行う
・口腔内の異常が見つかったら獣医師に診てもらう

歯磨きが嫌なことにならないためにも

  • 少しでも歯磨きができたら褒める
  • 歯磨きが終わったら遊ぶ

など、歯磨きの後には愛犬が喜ぶことをしてあげましょう。歯磨きをがんばったら「良いこと」が起きるとの紐づけが目的です。

また、愛犬が好きな歯磨き粉のフレーバーを使用するのも効果的です。歯磨き粉にはチキンフレーバーやミントなど様々で、愛犬が好きな味がきっと見つかるでしょう。

歯の磨き方はソフトに行い、歯磨きしている間でも優しく声を掛けながら行うと愛犬も安心します。

歯磨きしながら口腔内に異常がある場合には動物病院で診てもらいましょう。

すぐにでも行動に移せるものばかりなので、ぜひ参考にしてください。

 

犬の歯磨き【おすすめの使用道具・グッズ・歯磨き粉は?】

犬の歯磨きのアイテムには

  • 歯ブラシ
  • 歯磨きガーゼ
  • 歯磨き粉

などがあります。中には水に混ぜるだけの「デンタル液」というものも発売されていますが、歯垢を落とすためには磨くのが一番です。

ただし口を触ると怒るような子であれば、デンタル液なども検討すべきだと考えられます。

ここでは上記にあげた歯磨きグッズの特徴や選ぶコツをご紹介します。

 

おすすめの使用道具①【歯ブラシ】

一般的な歯磨きとして知られているのが歯ブラシです。歯垢の除去効果も高く、歯肉溝まで入り込むため歯周病や歯肉炎予防に対して最も効果的です。

【歯ブラシを選ぶポイント】
・犬の唇の端にスッと入れることができるくらい口にあったサイズを
・歯ブラシのヘッドは小さめのもの
・歯ブラシの毛先は軟らかめのもの
・犬によってはヘッドが四角より丸みをおびたもののほうが口に入りやすい
・犬によってはブラシの柄が太いと口の粘膜に当り痛がるので細めのものを
・指サックは中型~大型犬向き
・柄(え)が握りやすいもの

歯ブラシは

  • 愛犬のサイズに合ったもの
  • 飼い主さんが使いやすそうなもの

を選びましょう。

歯ブラシの中には指サックにブラシが付いているようなものがあります。厚みがありサイズ感も大きく感じるため、中型犬や大型犬に向いています。

種類も豊富なため、愛犬と飼い主さんに合った歯ブラシを見つけることが重要です。

 

おすすめの使用道具②【歯磨きガーゼ】

歯ブラシがどうしても嫌がったり慣れていない子には、歯磨きガーゼがおすすめです。歯ブラシはダメでも飼い主さんの指なら歯を触らせてくれる場合があります。

【歯磨きガーゼが向いているケース】
・子犬や小さい歯の犬
・歯の裏側

歯の表側は歯ブラシを使用して裏側にはガーゼを使うなど、ケースバイケースで使用しても良いでしょう。

愛犬が嫌がらない方法を模索してみてください。

 

おすすめの使用道具③【歯磨き粉】

あると便利なのが歯磨き粉です。愛犬が気に入るフレーバーだと、嫌がらずに歯磨きをさせてくれるきっかけづくりになります。

一方で愛犬が歯磨き粉を嫌がるようなら無理に使用しなくても大丈夫です。水かぬるま湯で代用してください。

また歯磨き自体が不可能な場合

歯磨きペーストを綿棒やガーゼに付けて歯の表面を擦ることも効果的

です。

歯磨きほど効果はありませんが、歯磨きをさせてくれない子には試してみましょう。

最初のうちは歯磨き粉を
・おもちゃに少し塗って遊ばせる
・指に乗せて舐めさせる
などで慣れさせておくと嫌がることも少ないでしょう。

 

犬の歯磨き【人間用の歯ブラシや歯磨き粉の使用はOK?】

犬の歯磨きで、

・「歯ブラシ」 人間用で代用可能
・「歯磨き粉」 人間用は代用不可
です。

歯ブラシは人用のもので代用できます

口が小さな小型犬は「子供用歯ブラシ」が良いでしょう。

歯磨き粉は人用のものは使用しないでください。犬にとって中毒になったり健康に害を及ぼす恐れがある成分が含まれているため、大変危険です。

【犬にとって健康被害がある成分】
・キシリトール
・フッ化物(フッ素)

キシリトールは犬にとって中毒物質です。犬がキシリトールを摂取すると

  • 低血糖
  • 急性肝不全
  • 血液凝固異常

などを引き起こすといった報告があります。

またフッ素は人間にとっても厚生労働省により配合濃度が定められています。

人も犬も微量では問題ありませんが、摂取量過多では

  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 下痢

などの中毒症状がみられるため注意が必要です。

犬は歯磨き粉を飲み込んでしまいます。そのため犬が摂取しても大丈夫な「犬用の歯磨き粉」を使用することが大切です。

 

犬の歯磨き【暴れたり・嫌がったりする場合の対処法は?】

順を追って歯磨きに慣れさせていないと、歯磨きの際に暴れたり嫌がったりする傾向が強く表れます。

まずは対処法①で「なぜ嫌がるか」の原因を探りましょう。

原因が分かれば原因に応じて対処していきます。

 

犬が歯磨きを嫌がる【対処法①】

愛犬が嫌がる理由を考えてみましょう。

【犬が歯磨きを嫌がる理由】
口に触られるのが嫌
歯ブラシが痛い
歯磨き粉の味が嫌
歯や口の中が痛い
拘束されることが嫌

口元すら触らせてくれない場合には、口に触られるのが嫌な可能性があります。

歯磨きを始めると嫌がるようであれば、歯ブラシが痛かったり歯磨き粉が気に入らないケースが考えられます。

ほかにも口内トラブルがあったり拘束を嫌がっている可能性もあり、

  • 痛がっていないか
  • どのタイミングで嫌がるか

など愛犬の様子を観察して原因を特定しましょう。

犬が歯磨きを嫌がる【対処法②】

原因が分かったら、それに応じて対処をしましょう。

 

口に触られるのが嫌

まずは口を触ることに慣れさせるのが先決です。歯磨きで無理に慣れさせようとせず、

遊びやおやつなど楽しいこと

で慣れさせましょう。

遊びやおやつの延長でさりげなく口元を触っていると、そのうち慣れます。

 

歯ブラシが痛い

歯磨きの力は強すぎないか見直してみましょう。犬の歯肉はデリケートなため、優しくソフトに磨く必要があります。

磨く力が適切であれば歯ブラシを変えてください。

歯肉が敏感な子には

柔らかブラシ

と記載されたものがおすすめです。

 

歯磨き粉の味が嫌

歯磨き粉の味が愛犬に合わず嫌がるケースがあります。歯磨き粉には様々なフレーバーがあるため、愛犬が好む味を見つけましょう。

チキンからミントに変更など、今までのフレーバーと真逆のものを気に入る可能性があるため試してみてください。

中には歯磨き粉自体が嫌なケースもあります。何もつけない状態でも歯磨きの効果は十分あるので、そのような場合には歯磨き粉なしで磨いてあげてくださいね。

 

歯や口の中が痛い

口内トラブルで歯や口の中が痛いのであれば治療を行うのが先です。

進行して重症化する前に獣医師に診てもらいましょう。

 

拘束されることが嫌

拘束されるのが嫌な犬には、歯磨きをできるだけ短時間で終わらせる工夫が必要です。

・日によって磨く場所を変える
・1日おきに歯を磨く

など拘束時間が長くならないようにしましょう。

 

犬が歯磨きを嫌がる【対処法③】

どうしても歯磨きをさせてくれないようなら、デンタルケア製品を使うのも対処法のひとつです。

歯垢や歯石除去効果があるデンタルガムおもちゃなどを利用しましょう。

小型~超小型犬の歯は細く、硬すぎるガムやおもちゃは歯が折れる可能性があるため注意が必要です。

 

犬が歯磨きを嫌がる【対処法④】

定期的に動物病院で歯のチェックをしてもらうのも良いでしょう。

歯が磨けないと歯肉炎や歯周病のリスクは上がります。

気づかない間に重症化するのを防ぐためにも、獣医師に診てもらうことが大切です。

 

子犬・老犬の歯磨き【注意点・ケア方法は?】

子犬と老犬では注意点が異なります。

【注意点】
・子犬 生え方や歯の本数を確認する
・老犬 歯周病

それぞれの注意点を解説していきましょう。

 

子犬の注意点

子犬期には生え変わり時期があります。歯並びによっては歯垢が溜まりやすい箇所も出てくるため、生え方に注意しましょう。

歯並びが体に影響し矯正が必要な場合には、生後7ヶ月~10か月の間に行うのが望ましいとされています。
歯並びが気になるようなら早めに獣医師に相談しましょう。

また乳歯が抜けないで残ってしまう「乳歯遺残(にゅうしいざん)」の状態になるケースがあります。

乳歯遺残は永久歯と並んで乳歯が残るため、間に歯垢が溜まりやすくなってしまいます。

多くは抜歯で問題が解決するため、動物病院で早めの処置がおすすめです。

 

老犬の注意点

老犬では歯周病のリスクが上がります。

くわえて持病を持っているケースが多く、

歯周病の他疾患への影響

に注意が必要です。そのためこまめな健康管理が大切になってきます。

きちんと歯磨きを行い、歯周病から愛犬を守りましょう。

 

ケア方法①【子犬】

子犬のデンタルケアは早めに始めておきましょう。

乳歯が生えそろう生後3ヶ月あたりから歯磨きが可能

です。子犬の歯は

  • 生後2~3ヶ月 乳歯が生えそろう
  • 生後4〜6カ月 永久歯への生え変わりが始まる
  • 7カ月〜1歳 永久歯に生えそろう

といった経過をたどります。

「乳歯はどうせ抜けるのだから、永久歯になってから歯磨きを始めればいいのではないか」と感じるでしょう。しかし早めの歯磨きは良いことずくめです。

【歯磨きを子犬期から始めるメリット】
・歯並びの確認ができる
・乳歯遺残に早めに気が付く
・成犬になってもスムーズに歯磨きができる

愛犬の歯を生涯守るためにも、早めにデンタルケアを行っておきましょう。

 

ケア方法②【老犬(高齢犬)】

老犬にこそ歯磨きは必要です。負担にならないデンタルケアを心がけましょう。

歯ブラシを嫌がるようなら歯磨きシートを使うと不快感は軽減されます。

また寝たきりの場合だと歯磨きがしにくくなります。

難しいようであれば、食事後にぬるま湯を入れたシリンジで歯や歯肉の汚れを洗い流すだけでもすっきりするのでぜひ試してみてください。

 

犬の歯磨き【気をつけるべき病気は?】

犬の口内疾患で多いのは歯周病です。3歳以上の80%が歯周病を持っているといわれており、かかりやすいことが分かります。

歯周病は重度になると皮膚に穴をあけたりあごの骨を溶かす

・外歯瘻(がいしろう)
・内歯瘻(ないしろう)
・口腔鼻腔瘻(こうくうびくうろう)

に進行してしまうため注意が必要です。

気を付けるべき口腔疾患としては他にも

  • 乳歯遺残(にゅうしいざん)
  • 根尖周囲病巣(こんせんしゅういびょうそう)
  • 変形歯(奇形歯)
  • 含歯性嚢胞(がんしせいのうほう)
  • 過剰歯
  • 不正咬合

などが考えられます。

これらの疾患は「犬の抜歯で後悔しないために。犬の抜歯の費用や注意点・歯周病も解説」の記事の中で詳しくご紹介していますので参考にしてください。

愛犬の口内を観察して症状がみられたら獣医師に診てもらいましょう。

病名症状
歯周病歯石や歯垢が付いている
歯茎が赤かったり腫れている
口臭や口周辺のにおいがきつい
よだれが多かったり血が混じっている
歯がグラグラしている
内歯瘻(ないしろう)歯肉や口腔内に穴が開いている
外歯瘻(がいしろう)頬や目の下、顎が腫れている、皮膚に穴が開いている
口腔鼻腔瘻(こうくうびくうろう)クシャミや鼻汁、鼻血が出る
過剰歯・失歯、乳歯遺残歯の数が通常より多いか少ない
含歯性嚢胞(がんしせいのうほう)歯肉や口の中に膨らみやしこりのようなものがある

ほかにも歯が折れていたりひづめなどの硬いおもちゃで歯がすり減っているなどを見かけたら

・歯髄炎
・根尖周囲病巣(こんせんしゅういびょうそう)

に進行する恐れがあるため、動物病院へ相談をおすすめします。

歯ぎしりなどで歯がすり減るケースもあるため、愛犬の口内や歯の状態はしっかり観察しましょう。

歯や口の中にトラブルがある時に見られる症状や犬の行動

・口周辺を触られるのを嫌がる
・前足で口を触ろうとしたり床や壁に口をこすりつけたりなど口を気にする
・片側の歯だけで物を噛む
・うまく食べられずにご飯をこぼす
・ごはんを食べようとしない、軟らかい物しか食べない
・物を噛んでいる最中に妙な声を出す
・頭を頻繁に振る など

最初は口を気にするそぶりがみられます。進行して痛みが出始めると口元を触られるのを嫌がったり、食事中に声が出たりします。

ご飯を食べられなくなるとかなりの痛みがあると考えられ、早急な処置が必要です。

手遅れにならないためにも普段から愛犬の様子をチェックして、違和感のサインを見逃さないようにしましょう。

 

歯や口の中に関連する主な病気

病名概要
歯周病歯垢に含まれる細菌によって炎症が生じた状態
歯肉炎歯肉の赤みや歯垢・歯石が見られる歯周病の初期段階
歯周炎歯周病の中期~後期の段階。出血や痛みも見られる
歯髄炎歯髄が露出して細菌に感染し、炎症を起こした状態
内歯瘻
(ないしろう)
歯周病が進行し、膿の出口である穴が歯肉や口腔粘膜に開いた状態
外歯瘻
(がいしろう)
内歯瘻と同じく、膿の出口である穴が目の下や頬、顎の下などの皮膚に開いた状態
口腔鼻腔瘻
(こうくうびくうろう)
歯周病の悪化や腫瘍、外傷などにより、口腔と鼻腔とを隔てる骨が溶けたり破壊されて、つながってしまった状態
破折(はせつ)硬い物を噛む、事故などにより、歯が欠けること
咬耗(こうもう)物をかじり続けたことにより、歯が擦り減ること

歯や口に関する病気の種類は、私たちが思っているよりも多くあります。

犬の口腔疾患は食べられなくなるだけでなく骨や皮膚を溶かし、細菌が血流に乗って体内をめぐると内臓を侵します。

放置すると死に至るため、早急な処置が必要なことを覚えておかなければいけません。

 

犬の歯磨き【虫歯になってしまった場合は?】

犬は基本的に虫歯になりにくい口内環境です。後臼歯(奥歯)も汚れが残りにくい形をしているのですが、う蝕(虫歯)に全くならないわけではありません

【う蝕(虫歯)の症状】
・歯が部分的に黒い
・歯に穴が開いている

ペットとして飼育されていると、野生では食べないものを与えられます。

  • 歯の隙間に挟まりやすい柔らかいもの
  • ショ糖(砂糖)が含まれた甘いもの

などの与えすぎには注意しましょう。中でも甘いものは虫歯だけでなく肥満の原因にもなるためおすすめできません。

食事の後の歯磨きで虫歯を予防できます。もし愛犬が歯磨きをさせてくれないようなら、虫歯の原因になるような食べ物を避けるようにしましょう。

「犬は虫歯にならない」と過信してしまわないように注意が必要です。

補足:犬の歯周病の治療費や歯石取りはペット保険で補償される?

<ペット保険会社別歯周病補償一覧表>

歯科疾患を補償の対象外としていないペット保険歯科疾患を補償の対象外としているペット保険
アイペット損害保険会社アクサ損害保険株式会社
アニコム損害保険株式会社au損害保険株式会社
ペット&ファミリー損害保険株式会社SBIいきいき少額短期保険株式会社
イーペット少額短期保険株式会社SBIプリズム少額短期保険株式会社
イオン少額短期保険株式会社ペッツベスト少額短期保険株式会社
株式会社FPC エフ・ピー・シー日本ペット少額短期保険株式会社
つばき少額短期保険株式会社リトルファミリー少額短期保険株式会社
楽天損害保険株式会社
ペットメディカルサポート株式会社
(PS保険)

詳細は各保険会社の重要事項説明書及び約款でご確認ください。また実際の保険金支払いにおいては補償範囲等、状況によって各社対応が異なる場合もあります。

例えば日本ペット少短の場合、歯周病を含め、歯に関する処置は補償対象に含まれません。しかし歯肉炎等の歯に触れない治療であれば補償されます。

 

注意:歯石取りはペット保険の補償対象にならないことがある

ペット保険の補償対象にならない歯科治療は保険会社によって若干の違いがあるものの

・歯石除去
・歯切り
・歯削り
・乳歯遺残

などは基本的に全てのペット保険で補償の対象外です。

これらの治療内容はすべて

予防目的の治療であること
です。もちろん
症状があり、治療の一環で行われる歯石取り・除去の費用は補償されます。

よくある質問

うちの犬はおやつを与えていませんが歯磨きは必要ですか?

たとえおやつを与えていなくても、歯磨きは行ってください。犬の歯磨きは虫歯予防ではなく、歯垢除去を主な目的に行います。
ドッグフードは噛むと粉になります。粉は歯にこびりつき歯垢となるため、歯磨きをしないと除去できません。
犬の歯磨きは「歯垢を取るため」だと覚えておきましょう。

愛犬は歯磨きが大嫌いなため、怒ってさせてくれません。

歯磨きが嫌いな犬には怒る子も多く、歯ブラシを見ただけでうなるような子もいます。
どうしても歯磨きがダメな場合には、デンタルおもちゃや水に混ぜるだけのデンタル液などでケアをしてあげましょう。
もし可能なら、歯磨き粉を指に乗せて舐めさせることから慣れさせてみてください。うまくいって歯を触らせるようになれば、歯磨きガーゼが使えるようになります。
無理をせずゆっくりと、愛犬のペースで慣れさせるのが重要です。

ペット保険は必要?

ペットには公的な保険制度がありません。そのため治療費の自己負担額は100%です。

もしもの時に、お金を気にせずペットの治療に専念できるよう健康なうちにペット保険に加入することをおすすめします。

また、病気になった後では加入を断られる可能性があります。

ペット保険比較表や記事を活用するのがおすすめ!

ペット保険比較アドバイザーでは、ペットに合った保険の選び方やペットの健康に関するお役立ち記事を公開しております。

記事と合わせて比較表も活用することで、ペットと飼い主様に合った保険を選ぶことができます。

また、保険会社のデメリット等も理解できるので、後悔しないペット保険選びができます。

ペット保険への加入を検討されている方はぜひご活用ください。

【犬の歯磨きは不要?してないとかかる病気や重要性についても解説】まとめ

今回、ペット保険比較アドバイザーでは

・犬の歯磨きが必要な年齢
・犬の歯磨きで暴れたり嫌がるときの対処法
・犬の歯磨きのステージ別の注意点
について解説してきました。
野生の犬では歯磨きは不要でも、人の飼育下における犬は必要です。
歯磨きをしないと歯周病などにかかり全身を細菌に蝕まれるため、きちんと歯磨きを行いましょう。
させてくれない場合にはデンタルおもちゃなどのケアグッズを利用して、歯の健康に配慮してくださいね。
ペット保険比較アドバイザーではペット保険に関する記事も掲載しておりますので、ぜひご活用ください。